福岡の小学校校長がシャブで捕まったというニュース、随分センセーショナルだよな。不祥事なほどにもほどがあろうよ、たわけが。
クソみたいな人生を歩んできた俺のようなバカでもクスリだけは合法非合法を問わず一切手を出していない。
前科二犯だが丸暴のお巡り達もクスリに関しては鉄板で白なのを分かっていたらしく、捕まった時ですら尿検査を受けていない。
だいたいタバコすら吸わん。
仮に大麻が合法の国に行っても葉っぱを吸うなんてことはまずないだろう。
いや、分かっている、人一倍心の弱い俺だからこそ、クスリをやったら抜け出せなくなるのが目に見えているのだ。
俺は飲む打つ買うを散々やったがどれも一線を越えたことはない。所詮は遊びだ。
しかしクスリが遊びにならないのは自分の性格上よく分かっている。
ホントさ、女衒(ぜげん)なんかやってると、不思議とクスリの話はどこからともなく入ってくる。
確かな情報筋からどこぞのデリヘルではオーナー自ら女の子達と大麻パーティーをやってるなんて聞いたぞ(解散済)。
やっぱ業種が業種だからさ、暴力団やチンピラとは縁が切れない世界でね、一般社会とは比べものにならないぐらいかなり蔓延してたと思うよ。
だからこそ、俺は毒されないよう、そこの部分だけは潔癖でいようと堅く決めていた。
ただ、よくも悪くも俺がそうだから意外に自分のところの店の関係者がクスリをやってるなんてことは伝わらなかったりするのも事実だ。
辞めた後、暫らく経って誰だれはクスリをやっていたという話を聞くことがある。
何故言わなかったと問い詰めると、クスリをするよりも俺の耳に入るともっと怖いことになるから…、と。
間違った思いやりだ。
シャブもさ、事件化する前であれば実はもみ消せるんだよねぇ。
本気で本人に更正する意志があれば警察に話を通すことは出来た。今だから明かすがそのぐらいのルートはあった。
でも、現実はそんな奴なんて一人もいなくてさ、みんな勝手にいなくなっちまったけどね。
俺は腐ったどぶ川の中だからこそ、気高く生きようと思っていた。
とりあえず俺の場合、末期ガンにでもならない限り、クスリに頼ることはありえない。
末期ガンで苦しくなったら、さすがに俺もせめてもの安らぎを求めてモルヒネに頼ることはあるかもしれないがそれとこれとはまったく別問題だ。
現状どんなに苦しくともクスリに快楽を求め、クスリで身を持ち崩すことは死ぬより恥ずかしい。
万が一心が折れていよいよクスリに逃げるようなことがあったらクスリに頼る前に潔く自決する。