改めて
- 2013/09/13
- 20:49

以前はだしのゲンについて自分なりの考えを書いたが如何せん小学校の時に読んだものであるからもしかしたら記憶違いをしているところもあるかもしれない。
たまたまコンビニで廉価版が売っていたので改めて読み直してみた。
善いも悪いも、右も左もすべて引っ括めて、改めて公平に見てみたいと思ったのである。
三十年ぶりに読んだ率直な感想。
すべてが偏りすぎ。
確かに戦中、戦争直後という日本史上で最も特殊な時代ゆえ、ある程度国民の思想に偏りがあるのは仕方がないとしても、九割方の市民が悪意を持った描かれ方をしているのは正直どうなのかと思う。
戦時中といえども一定数はまともな価値観を有する人もいたはずだ。
もちろん、作者である中沢氏の気持ちもよく分かりますよ。
実際家族を亡くし、地獄のような少年期を過ごしたことは想像するに難くない。
ある意味反体制的な考え方に傾倒するのも分からなくもない。
でも、もし、子供達に戦争の悲惨さを訴えるのなら、やはり好い面、悪い面を公平に描かなければフェアじゃないと思う。
これをさ、多感な少年期に読むのはやはりちょっと問題があるような気がする。
国や行政は悪なのだという一方的な考え方でしか描かれてないもの。
それを純真な子達が真に受けて、左翼掛かった思想を持つのはどう見ても異常なことだわな。
感化され変に目覚めてしまい、重信房子みたいになっちまったら国も本人も悲劇だ。
重信自身が悲劇と感じているかは別だが。
そもそも当時の日本と今の日本とではまったく価値観が違うわけで、それを十把一絡げにして国のやり方はおかしいと咆哮したところでねぇ…。
個人的な結論から言えばやはり子供に与える本としては不適切だと言わざるをえない。
大学を卒業するなど、社会人になってから読むのならまあよいとは思うが小中高生に読ますのは危険だと思う。