覆面の北枕

セミを見てどう思うか？

俺は浪漫を感じる。

だってそうだろ、何も見えない真っ暗な土の中で７年も８年も踏張ってさ、やっと明るい世界に出てこれるんだぞ、これに浪漫を感じずにいったいに何に浪漫を感じようぞ。

セミがなぜ８年間も地中で堪えられるか？

その原動力は雄も雌もセックスです。

間違いない。

セックスの愉しみがあるからこそ、堪えられる。

そして、８年が経ちました、人生（虫生）最期の総決算としてセックスするぞ、オーッと地面に向かってずんずんずんと上がってきたら、上にアスファルトの道路が舗装されたり、家が建ってしまったりして地上に出られず、失意のうちに一生を終えてしまう奴も少なからずいる。

８年も経ちゃ田んぼや畑ばっかのド田舎でもショッピングセンターができたり、マンションが建ったりする。

ショックのあまり、雄はアスファルトの下で暴発夢精してしまうというし、雌は死ぬまでアスファルトにケツ擦り付けてヲナニーをするというね。

ドラマだ。

そんなことを考えるから僕は蝉を見ると胸がキュンとして切なくなるのです。


外ではヒグラシが鳴いています。

秋が近いですね…。