覆面の北枕

また今日もだよ、コンペのご案内…。

参加のご案内がくるだけ、前向きに考えりゃあそれなりに認められてんのかなぁとも取れなくもないが、値踏みされんのは大っ嫌いなんだよ。

俺はさ、腕が三流なのは自分が一番よーく分かっている。

海外のデザイナーさんがデザインしたサイトを見ると、向こうは山のてっぺん、こっちは裾野にすら到達していないやと自己嫌悪に陥ることもしばしばだ。

でもね、今の仕事に関して言えば誰に恥じることなく誇りを持って取り組んでおり、プライドだけはクソ生意気にも超一流であったりする。

創業間もない等で資金繰りが厳しく、値引きをお願いされればこちらも出来る限り協力はしている。

誰だって苦しい時はありますからね。

しかし、だからといってプライドをなじられ、値踏みされる言われはないんでね、どんなに苦しくなっても今後コンペには参加いたしません。

値引きには応じるが値踏みには応じない。

そもそも風俗を経営してる時もそうだし、今もそうだが、お客さんを神様だなんてこれっぽっちも思っていない。

有り難い存在なのはもちろんだが、自分も対価を頂いた以上のものを作品（風俗で言えば女の子、及び接客）という形で返しているつもりだから誤解を恐れずにいえば立場はあくまでもイーブン、対等な関係だと思っている。

つまりギブアンドテイクの関係。

これからもそういう関係でお客さんとは付き合いたいと考えている。

だけど値踏みされた以上、立場はもうすでに対等じゃないよね。

値踏みには主従関係しか生まれない。

何度も言うが媚売ってまでお客の下になんかつきたくない。

まっぴら御免だね。

だったら貧乏しててものびのび自由に暮らしている方がよっぽど気楽で性にあっている。

もっともコンペに参加しちゃう人達の気持ちも分かりますよ。

従業員だったり、家族だったり、自分以外の誰かを食わしていかなきゃならない場合だったら泥水啜らなきゃならねぇときもあんだろ。

俺は自分のためには絶対に土下座はしない。

土下座をするくらないなら潔く死ぬほうを選ぶ。

しかし、愛するものを守るためだったらこんな安い頭地面に擦り付けるぐらいなんでもない。

幸いというか（笑）、今はそんな存在がいないから超強気なんだろうけどね。