捕まってしまったことは仕方がない。
そんなことを悔やんでも仕方がない。むしろ逮捕は元より想定の範囲内である。
一番大事なのは今後どうするかだ。執行猶予は確実だしさ。
だから檻の中で考えたのはシャバに戻ったとき、いったい自分はどうすべきだろうかということをじっくり考えた。
一瞬また営業職に戻ろうかと思ったがこれからの時代、90年代のように提案式の営業が通用するとは到底思えなかった。
考えれば考えるほど営業職は懐疑的にしか思えない。
何故なら営業職としてものを売るにも個人情報の締め付けでとても昔のようにものが売れるとは思えなかったのだ。
営業力なんて言ったところで所詮はいい顧客リスト、いわゆる『名簿』がなければものは売れない。
営業のハウツー本などを見ると、私はお客様のためになろうと親身になって頑張った結果、日本一のセールスマンになりましたみたいなことが書いてあるが俺から言わすと笑わせるなということになる。
なんのかんのいったところで結局いい名簿を持っている奴にはかなわない。それが営業職の真理であり、また究極の極意でもある。
裏を返せばいい名簿さえあれば並み程度の営業力でもトップセールスマンになれる。
言うなれば魚釣りと一緒。
どんなにいい竿と餌を用意したところでそこに魚がいなければ絶対に釣れないのである。
営業も同じでいくら偉そうなことを言ったところで名簿がなければ売れないのだ。
じゃあどうするかと考えたとき、思い浮かんだのが月並みではあるがインターネットである。
インターネットのすさまじい破壊力は風俗時代に嫌というほど知らされている。
(続く)
≫ゆうか
茨城には戻らんのか?
たまには来るか?
来るときは連絡しなさい。
心の兄より。