覆面の北枕

俺も小学校の時、教務主任のクソ教師に目の仇にされてさぁ、そいつにことあるごとに殴られたり、蹴られたりした。

確かにワルガキだったけど小学生だぜぇ？どう考えても理不尽な話なんだよね。

でも腕力だけはあるバカ教師だから当然かなうわけがなくてさ、小学生の時は悔しくとも泣き寝入り。

中学に上がり、高校に上がり、そして社会人になり、暫らくそんなことがあったのも忘れていたんだけど、数年前、何かの拍子でそいつのことを思い出し、やっぱり許せねぇと、小学校ん時の名簿引っ張りだしてきて、クソ教師の家に電話してやったよ。

「おい、○○小学校の時は随分世話になったな、ハゲ（当時から本当にハゲてた）。おまえに体罰受けた心の傷が二十年以上経っても癒えねぇんだけどさ、これからちょっと会って話さない（笑）？」（俺）

「えっ、どちら様ですか？」（ハゲ）

「どちら様ですかじゃねぇよ、アホ。思い当たりがありすぎて思い出せねぇか、この野郎」（俺）

「すいません、分かりません…」（ハゲ）

「覆面だ、コラーッ！思い出したか、テメェ」（俺）

「あっ…」（ハゲ）

「思い出したみてぇだな、コラッ。テメェに蹴られたり、殴られたりしたことがどうしても理不尽でならねぇ、今から出てこい」（俺）

「い、いや、そ、それは…」（ハゲ）

散々クンロク入れて脅かしてやった。

もう身に覚えがあるから平謝りだよね。

電話を掛けず、水面下でもっとえげつないことをしてもよかったんだけど、こっちも気が収まらないからやっぱ電話しちゃったよ（笑）。

とにかく、かつての豪腕パー教師も今や齢（よわい）八十になろうという御年、これ以上いじめても仕方ねぇと思ってやめたけどさ。

でも、奴はこれからびくびくしながら生きるんだろうな～、ま、そういうふうに脅したから（笑）。

ともかく、学生時代の仇なんてもんは大人になったらいくらでも復讐が出来るんでね、自殺なんてくだらねぇことを考える前にどうやったら抹殺出来るかを考えろ。

やる気になれば不良中国人を使い、階段から蹴落として殺してしまうとか、或いは家に火を点けて一族郎党皆殺しなんてことも出来んだからあきらめんな。

死ぬのはそれからでも遅くないべ。

間違ってはいると思うが正しいと思う。