覆面の北枕

チャイニーズによる、国旗強奪行為は許し難い蛮行だが、射殺されたジャーナリスト山本さんの件は自業自得であり、銃撃したシリア人兵士を恨むのは筋違いである。

腹を空かせたライオンのいる、檻に飛び込み、食われてしまったからといってライオンを責めるのは大間違い、飛び込んだ阿呆が悪いのである。

戦場も同じ。

故意的に山本さんを狙ったのかどうかなんてことは関係ない。

惨状を世界に伝えるのがジャーナリストの使命だというが、好きで殺し合いをしているところに行ったわけだろ？

これが国や会社の命令で赴任して、そこで殺されてしまったというのなら線香の一本もあげたくなるが物見遊山で行った人間が骨になろうが、皮になろうが知ったことじゃない。

むしろ、ナイフで首斬り落とされなかっただけよかったじゃねぇかと思う。

だからといって俺は山本さんを非難しているわけではないぞ。

生きて帰ってくるのも自己責任、荼毘に付されて帰ってくるのも自己責任、だーれも悪くはない。

たまたま山本さんの場合、悪いほうに転んでしまっただけだ。それ以上でもそれ以下でもない。

だいたい、俺が思うに戦場カメラマンなんていう奴らは偉そうなことをいっても人の生き死にを間近で見るのが楽しくて戦地に行ってんだろ？

本能と本能のぶつかり合い、血沸き肉踊るっていうのか、殺し合いの場面なんていったらセックスなんか問題じゃねぇぐらいに楽しいだろうさ。

よく戦争は究極の娯楽だっていうしな。

だから俺も山本さんが戦地に行きたい気持ちはよくわかる。

俺だって本音を言ったら行ってみてぇもん。

ただ、俺の場合、生きたいという気持ちと死んでもいいから究極の娯楽を楽しんでみたいという気持ちを天秤にかけたらまだ生きたい気持ちの方が勝ってるんでね、戦地に行く気持ちにはなれんけどね。

所詮はそれだけのこと、大騒ぎする必要はないし、山本さんのこと立派だと称賛して美化する必要もない。

物好きなジャーナリストが戦地で弾に当たって死んだ、それだけだ。