日立市への定住者促進 vol.3
- 2023/09/27
- 14:16
日立市について辛辣なことばかり書いてきたがもちろんどの程度を目指すのかによって新天地がユートピアになるか、デストピアになるか大きく変わる。
北海道や長野、熊本阿蘇のような雄大な自然環境を求めてくる人には物足りないが、反面、雪も殆ど降らず、夏も市全体が海に面しているため割と涼しく、水質判定もAからAAの綺麗な海であるため、海水浴やサーフィンにも適している。また、都心へのアクセスも自動車、電車ともに高速道路、特急列車を使えば2時間と利便性もそこまで悪くない。
働くところがあればちょうどイイともいえる。実際、日立市への移住推進を掲げる市のスローガンが「ものづくりのまち・日立市は、暮らしと仕事がちょうどイイ!」。
このちょうどイイに満足するのか、物足りなさを感じるかは個々人の価値観によるため、結論を出すのは難しい。
ただ、働き口さえ確保できるのであれば決して悪くない。
問題はその働き口、ここで働きたいと魅力的な企業があればちょうどイイ自然環境やちょうどイイ立地条件を堪能できるため、桃源郷とまでは言えぬにしてもそこそこ充実した日立市ライフを謳歌できるだろう。
その魅力的な企業がいったいどれだけあるのか。
日立製作所の下請け企業は慢性的な人手不足で主に工員だが求人は引く手あまた。
しかし、給料はおしなべて安い。わざわざ町工場に就職するために他地域からリスクを背負ってまで移住をするものだろうか。日立製作所の正社員は別にして、日立市内の民間企業の場合、年収は低くなりがちだ。特に茨城県は北と南で分断されており、つくば市以南は東京に準ずる高賃金であるが、県北地域は日立製作所の正社員と公務員を除けば何をするにしても給与は総じて低い。身も蓋もない話だが、町工場の工員で日立製作所の正社員より収入が高い人を見たことがない。
日立製作所の正社員であれば高卒であっても三十代で年収500万円、四十代で年収600万円にはなる。町工場の工員とは100万円以上違う。
あまりガツガツ働くのは好きじゃない。ボチボチ働いて死なない程度に給料が貰えればそれで満足、そういう人であれば日立暮らしは悪くない。
だが果たしてそういう人がどれぐらいいるのか。
賃金と労働量は必ずしも比例しない。
低賃金だから仕事も少なくてラクならばいいが、決してそんなことはない。荒川区だろうが、日立市だろうがどこで働いても町工場の労働はキツい。サーフィンが好きだから日立市に移住して普段は町工場で工員として働く、賃金は都内に比べてかなり安いが、家賃も安いし、海も近いので構わない、そういう人であれば充実した日々を過ごせようが、ある程度年がいき、結婚や育児、親の介護をするようになると当然ながら金が掛かる。給料の範囲内で賄い切れるのであればいいが現実はなかなか厳しいものがあるだろう。
結局また辛辣な話なってしまった。
(つづく、次回最終回)
北海道や長野、熊本阿蘇のような雄大な自然環境を求めてくる人には物足りないが、反面、雪も殆ど降らず、夏も市全体が海に面しているため割と涼しく、水質判定もAからAAの綺麗な海であるため、海水浴やサーフィンにも適している。また、都心へのアクセスも自動車、電車ともに高速道路、特急列車を使えば2時間と利便性もそこまで悪くない。
働くところがあればちょうどイイともいえる。実際、日立市への移住推進を掲げる市のスローガンが「ものづくりのまち・日立市は、暮らしと仕事がちょうどイイ!」。
このちょうどイイに満足するのか、物足りなさを感じるかは個々人の価値観によるため、結論を出すのは難しい。
ただ、働き口さえ確保できるのであれば決して悪くない。
問題はその働き口、ここで働きたいと魅力的な企業があればちょうどイイ自然環境やちょうどイイ立地条件を堪能できるため、桃源郷とまでは言えぬにしてもそこそこ充実した日立市ライフを謳歌できるだろう。
その魅力的な企業がいったいどれだけあるのか。
日立製作所の下請け企業は慢性的な人手不足で主に工員だが求人は引く手あまた。
しかし、給料はおしなべて安い。わざわざ町工場に就職するために他地域からリスクを背負ってまで移住をするものだろうか。日立製作所の正社員は別にして、日立市内の民間企業の場合、年収は低くなりがちだ。特に茨城県は北と南で分断されており、つくば市以南は東京に準ずる高賃金であるが、県北地域は日立製作所の正社員と公務員を除けば何をするにしても給与は総じて低い。身も蓋もない話だが、町工場の工員で日立製作所の正社員より収入が高い人を見たことがない。
日立製作所の正社員であれば高卒であっても三十代で年収500万円、四十代で年収600万円にはなる。町工場の工員とは100万円以上違う。
あまりガツガツ働くのは好きじゃない。ボチボチ働いて死なない程度に給料が貰えればそれで満足、そういう人であれば日立暮らしは悪くない。
だが果たしてそういう人がどれぐらいいるのか。
賃金と労働量は必ずしも比例しない。
低賃金だから仕事も少なくてラクならばいいが、決してそんなことはない。荒川区だろうが、日立市だろうがどこで働いても町工場の労働はキツい。サーフィンが好きだから日立市に移住して普段は町工場で工員として働く、賃金は都内に比べてかなり安いが、家賃も安いし、海も近いので構わない、そういう人であれば充実した日々を過ごせようが、ある程度年がいき、結婚や育児、親の介護をするようになると当然ながら金が掛かる。給料の範囲内で賄い切れるのであればいいが現実はなかなか厳しいものがあるだろう。
結局また辛辣な話なってしまった。
(つづく、次回最終回)