日立市への定住者促進 vol.2
- 2023/09/26
- 18:19
「こんなはずじゃなかった」
よく聞く、定住を諦めた人の定型文。
日立市の場合、まず路線バスの多くが廃線、ないしは著しい減便、車がないと生活をするのはとにかく不便。夫婦で移住をするのであれば夫婦ともに運転免許は必須、自動車も最低1台は絶対に必要、出来れば夫婦ともに欲しい。お父さんがマイカーを通勤に使っていると子どもの送迎や買い物にも行けず不便だ。一家に1台ならぬ、成人1人1台が日立市での自動車事情。車の免許がない、或いは取得予定がないのであれば移住は諦めたほうが無難。
日立市は人が住める平地が近隣の市町村と比べ少ない、その理由は平地の大部分を日立製作所の工場が抑えており、市民の多くは山の斜面を切り拓いたところに住んでいる。それゆえ車がないと山の上り下りだけで辟易して家に帰るのが嫌になるだろう。
日立市には常磐線の駅が5つあるが駅前はどこもオワコン、特に日立駅前、多賀駅前、かつての賑わいを知るものとしては寂しいを通り越して、笑ってしまうほどの衰退っぷり。駅チカに住んだところでまともに買い物が出来る商業施設がなく、結局は郊外や市外のショッピングモールに車で出掛けることになる。いったいなんのための駅チカなのか。
学習塾などの教育産業も衰退の一途を辿り、高い偏差値の大学を目指すようであれば最低でも水戸の学習塾や予備校に行く必要がある。だったら初めから水戸に住めよと思ってしまう。
年齢も違うのであまり参考にはならないが、公明党の山口代表は日立市から水戸市の水戸一高に通い、そこからストレートに東京大学文科一類に進学して弁護士になる。こういった人もいるが稀有な例。努力以上に元々が天才なのだ。
そうではないボチボチ頭のいい子が六大学以上の大学を目指すのであれば学校教育に加え、予備校や塾、家庭教師などの教育産業に頼らざるを得ない。日立はこの教育産業が弱いので子どもに偏差値の高い大学を目指させるのであれば水戸やつくばの方が圧倒的に有利。
住民事情に関していえばこれは他の地方とは良い意味で大きく異なる。
日立市の場合、企業城下町のため、出自を辿ると県外出身者が多い。高校や大学を卒業後、日立製作所に入社、職場結婚や地元の人と結婚をして日立市内に家を建てそのまま定住するというパターンが少なくない。実家の真裏に住む人も旦那さんは青森の人、奥さんは地元日立の人、日立製作所で知り合った職場結婚だそうだ。この手の話は枚挙にいとまがない。都内出身者もいれば東北の寒村出身者もいる、沖縄県出身者もいる。それこそ出身は日本全国津々浦々。
それゆえ、移住者に対して目新しさがない分、敵視されずに済むのは事実。そこはメリットの一つではある。もしかすると、私も○○県出身者なのと、ひょんなことから同郷出身者と知り合うケースも決して珍しくない。
もちろん地元住民とうまくいく、うまくいかないは移住者の性格にもよるだろうし、たまたま隣に住む親父が偏屈な人間だと手こずるのは万国共通。ある程度運不運による部分もあるが少なくとも一方的によそ者と敵視され、村八分にあうことはないだろう。これは地方移住でもレアな事例だと思う。詳しくは知らないが町内会によっては大部分が日立市外の移住者で構成されているところもあるのではないか。個人的にはこういうところをむしろ積極的にPRすべきだと思う。
映えるスポットをPRをするのも結構だが実際に帰る家の事情を包み隠さず明け透けに語るのも市としては避けて通れないだろう。
シーバーズカフェに毎日通う人はいなくとも毎日自宅に帰る人がほぼ全員、その帰るべき家が苦痛の種であるならいったいなんのための移住か。
市役所の仕事として、都道府県別の出身者をデータベース化して同郷の人を紹介するマッチングサービスがあってもいいだろう。むろん、データベース登録は善意からのボランティア登録だ。同郷の人が近くにいればそれだけで心強いと思う。当然、そういうお節介焼きのおばさんが煩わしいのであれば関わらぬのも自由。
要は移住者にダメなところも見せる代わりにその打開策や対案を示す。その結果、我慢が出来る限界を超えているのであれば初めから移住を諦めてもらう。
どのみち隠したところで引っ越してくれば否応なしに分かってしまうのだ。その時になって、「こんなはずじゃなかった」、こう言われるよりもはじめからマイナスの部分も知らせておくほうがお互い嫌な思いをしなくて済む。
(さらにつづく)
よく聞く、定住を諦めた人の定型文。
日立市の場合、まず路線バスの多くが廃線、ないしは著しい減便、車がないと生活をするのはとにかく不便。夫婦で移住をするのであれば夫婦ともに運転免許は必須、自動車も最低1台は絶対に必要、出来れば夫婦ともに欲しい。お父さんがマイカーを通勤に使っていると子どもの送迎や買い物にも行けず不便だ。一家に1台ならぬ、成人1人1台が日立市での自動車事情。車の免許がない、或いは取得予定がないのであれば移住は諦めたほうが無難。
日立市は人が住める平地が近隣の市町村と比べ少ない、その理由は平地の大部分を日立製作所の工場が抑えており、市民の多くは山の斜面を切り拓いたところに住んでいる。それゆえ車がないと山の上り下りだけで辟易して家に帰るのが嫌になるだろう。
日立市には常磐線の駅が5つあるが駅前はどこもオワコン、特に日立駅前、多賀駅前、かつての賑わいを知るものとしては寂しいを通り越して、笑ってしまうほどの衰退っぷり。駅チカに住んだところでまともに買い物が出来る商業施設がなく、結局は郊外や市外のショッピングモールに車で出掛けることになる。いったいなんのための駅チカなのか。
学習塾などの教育産業も衰退の一途を辿り、高い偏差値の大学を目指すようであれば最低でも水戸の学習塾や予備校に行く必要がある。だったら初めから水戸に住めよと思ってしまう。
年齢も違うのであまり参考にはならないが、公明党の山口代表は日立市から水戸市の水戸一高に通い、そこからストレートに東京大学文科一類に進学して弁護士になる。こういった人もいるが稀有な例。努力以上に元々が天才なのだ。
そうではないボチボチ頭のいい子が六大学以上の大学を目指すのであれば学校教育に加え、予備校や塾、家庭教師などの教育産業に頼らざるを得ない。日立はこの教育産業が弱いので子どもに偏差値の高い大学を目指させるのであれば水戸やつくばの方が圧倒的に有利。
住民事情に関していえばこれは他の地方とは良い意味で大きく異なる。
日立市の場合、企業城下町のため、出自を辿ると県外出身者が多い。高校や大学を卒業後、日立製作所に入社、職場結婚や地元の人と結婚をして日立市内に家を建てそのまま定住するというパターンが少なくない。実家の真裏に住む人も旦那さんは青森の人、奥さんは地元日立の人、日立製作所で知り合った職場結婚だそうだ。この手の話は枚挙にいとまがない。都内出身者もいれば東北の寒村出身者もいる、沖縄県出身者もいる。それこそ出身は日本全国津々浦々。
それゆえ、移住者に対して目新しさがない分、敵視されずに済むのは事実。そこはメリットの一つではある。もしかすると、私も○○県出身者なのと、ひょんなことから同郷出身者と知り合うケースも決して珍しくない。
もちろん地元住民とうまくいく、うまくいかないは移住者の性格にもよるだろうし、たまたま隣に住む親父が偏屈な人間だと手こずるのは万国共通。ある程度運不運による部分もあるが少なくとも一方的によそ者と敵視され、村八分にあうことはないだろう。これは地方移住でもレアな事例だと思う。詳しくは知らないが町内会によっては大部分が日立市外の移住者で構成されているところもあるのではないか。個人的にはこういうところをむしろ積極的にPRすべきだと思う。
映えるスポットをPRをするのも結構だが実際に帰る家の事情を包み隠さず明け透けに語るのも市としては避けて通れないだろう。
シーバーズカフェに毎日通う人はいなくとも毎日自宅に帰る人がほぼ全員、その帰るべき家が苦痛の種であるならいったいなんのための移住か。
市役所の仕事として、都道府県別の出身者をデータベース化して同郷の人を紹介するマッチングサービスがあってもいいだろう。むろん、データベース登録は善意からのボランティア登録だ。同郷の人が近くにいればそれだけで心強いと思う。当然、そういうお節介焼きのおばさんが煩わしいのであれば関わらぬのも自由。
要は移住者にダメなところも見せる代わりにその打開策や対案を示す。その結果、我慢が出来る限界を超えているのであれば初めから移住を諦めてもらう。
どのみち隠したところで引っ越してくれば否応なしに分かってしまうのだ。その時になって、「こんなはずじゃなかった」、こう言われるよりもはじめからマイナスの部分も知らせておくほうがお互い嫌な思いをしなくて済む。
(さらにつづく)