覆面の北枕

野暮用で自宅から20kmぐらい離れた場所に行った。普段はあまり行かない場所。

用事が済んだのが19時ちょっと前、せっかくだから夕飯をどこかで食べて帰ろうと思い、なんとなく国道沿いにある店を探す。当てはない。あえてネット検索はしない。決定するのはファーストインプレッションのみ。つまり直感。

赤いのぼりにうま煮メンの文字がたなびくラーメン店が目に入り、うま煮メンもいいなとここに決定。まったく知らないお店。祝日の夜だからなのか、それとも普段からそうなのかは分からぬが客の入りは割りと広い店内に7割弱、まあまあだと思う。家族連れが大半だ。早速うま煮メンと餃子を注文する。

結論から言うと、外れとまでは言わぬが、ここに来るのは今回限りでしょうといった感想。うま煮メンが50点、餃子が40点といったところ。

ただ、味に関してはあくまでも好みの問題であるのでもしかするともっと高得点をつける人もいるかもしれない。それゆえ、ここに店名を書くつもりもなければ、けなすつもりもない。

グーグルマップの口コミや食べログに頼らず、こうして店を探すのもこれはこれで平成10年代あたりの昔を思い出し新鮮で面白かった。

WEB制作をなりわいにしている俺がいうのもなんだが、最近はとかく何事もインターネットに頼りがち。もちろん時代の趨勢でもあるし、コスパにもタイパにも優れているからネット検索で商品やサービスを探すのは正しいのであるが、正直味気無さを覚えるのもまた事実。

誰かを接待する、或いは初デートで行く店を探すのであれば念入りに調べる必要もあるだろうが、所詮男やもめの一人飯、たまにはこうしてなんの情報も得ずに店を探すのも面白い。その結果、自分の好みに合わずともそれはそれで面白いと思うのだ。

さらに言えばまったく知らない店で大当たりを引いたら、前情報もない分、喜びもひとしおだろう。

ネットで評判のいいお店で食事をする、実際美味しかった、まことに結構であるがなんとも味気ない。当たりしか入っていないくじを引くよりも、玉石混交、当たりも外れもある猥雑なくじの方が時には面白い。