覆面の北枕

ジャニーズの記者会見、正直消化不良感が半端ない。

会社として性被害を認めたのは一歩前進であるものの、現役の人気ジャニーズタレントが誰も声をあげないのが極めて不自然。芸能界に疎い俺ですら、SMAP、嵐、トキオ、V6、KAT-TUN、キンキキッズぐらいは知っている。古いところだとシブがき隊や光GENJI、男闘呼組、それこそ今度社長に就任した東山紀之氏の少年隊とか。この人たちは誰ひとりとしてペドフィリア喜多川の毒牙に掛からなかったのか。

もし仮にそうであるなら毒牙の餌食になれば有名タレントへの道は閉ざされるとも言い換えられる。ケツの穴をほじくり回された挙句、芸能人への道が断たれるのであれば踏んだり蹴ったりじゃないか。

違うだろう。国民的と呼ばれる有名タレントの中にも少なからず喜多川の餌食になったものもいるはずだ。そうじゃなかったら整合性がとれないではないか。芸能界デビューと引き換えに性交渉があったと考えるのが自然だ。いわば喜多川との性交渉は人気タレントへの登竜門。

もちろん、センシティブな問題ゆえ、声を上げたくとも上げられなかった、その言い分も分かるが、結局のところ、声を上げたら芸能界を干されてしまうため、すべてをなかったものとして自分の心の中に留めていたのだろう。

確かに被害者ではある。

他方、被害者が声を上げなかったばっかりにこれが連綿と続く悪しき慣習になった面は否めまい。言葉は厳しくなるが金と引き換えに魂を売ったのだ。人気タレントが芸能界を干されるのを覚悟で記者会見を開き、赤裸々に喜多川の蛮行を包み隠さず話すのであれば誰もセンシティブな部分をあげつらったりはしない。むしろよくいったと拍手喝采だ。

どんなに苦しくとも性被害にあった有名芸能人は声を上げるべき。決してアウティングの強要ではない。

声を上げ続けることでジャニーズ事務所に限らず、芸能プロダクションで行われているであろう蛮行を少しでも食い止めるための抑止になると思う。今回のような問題はなにもジャニーズ事務所だけの問題ではあるまい。芸能界デビューと引き換えに所属事務所の社長と枕を共にすることも少なからずあると思う。有名芸能人になれるのであれば枕も辞さないと腹を括った人はともかく、望んでいない性交渉を求められ、不承不承でもそれに応じるのはやっぱり異常な世界観としかいいようがない。一刻も早くなくすべきだ。