常磐線の不当運賃訴訟の裁判がちょっとだけ話題になっている。亀有から上野駅の運賃が乗り換える電車によって差異が生じるのは納得がいかず、市民団体が訴訟を起こした。同じ行き先でも千代田線経由と常磐線直通とではなにやら運賃が違うらしい。
確かに常磐線の運賃には言いたいことがある。
常磐線には北から順に常陸多賀駅、東海駅、水戸駅がある。間にいくつか駅を挟むがとりあえずこの3つの駅のみを覚えてもらいたい。
常陸多賀駅から東海駅への運賃は240円、東海駅から水戸駅までの運賃も同じく240円。では、常陸多賀駅から水戸駅までの切符を買うといくらになるのか。答えは510円。割り引くどころか上がってしまう。百歩譲って240円の区間を2つであるから480円ならまだ分かる。それだって普通は乗れば乗るほど安くなるのが運賃だから正直どうかと思うが、ギリギリ理解できなくもない。だが、割り増しの510円、差額の30円はどこから生じた?
だいたい、こちらは亀有と違い乗り換えなしだ。
以前、JRに問い合わせたことがある。
JRの回答は概ねこうだ、「区間によって矛盾があるのは承知しているが、鉄道事業法によって運賃は定められている、どうしても定められた運賃に納得出来ないのであれば一度東海駅で降りて、また切符を買い直して乗車しろ。それなら合計480円で常陸多賀駅から水戸駅まで行ける」というものであった。
なにも30円が惜しくて騒いでいるのではない。山手線や京浜東北線と違い、一本乗り過ごしたら30分以上待つのが茨城県内の常磐線(数分置きに出る取手から上野間は別)。わざわざ30円を浮かすために途中下車をしたりはしないし、出来ない。
そんな面倒な真似をするぐらいなら改札口を通らずホーム脇の金網をよじ昇って逃げる。高校生の頃の話だ、100円の入場券を買って電車に乗り、駅に到着すると金網を飛び越え、一目散に逃げた(犯罪だって)。
本当は上野駅から電車に乗って茨城に帰って来たのに、改札の駅員に一番近い隣の駅から乗ったが切符をなくしてしまったと嘘をついたこともある、切符紛失の清算は170円のみだ(だから犯罪だって)。今度からなくさないよう注意してねといってその170円も受け取らず通してくれた親切な駅員さんもいた(おいおい)。
だが今はない、ちゃんと払っている(威張るな)。
俺が言いたいのは今まで払った分を返せでもない。訴訟するつもりなどさらさらない。ただ、この不条理を正し公平公正な電車賃になるのを望むだけだ。たまたま自分が乗る区間だから気付くのであって世の中、この手の運賃矛盾って実際は津々浦々至る所に存在しているのだとも思う。
それにしてもだ、もし今、金網を乗り越えて逃げ、それをツイッターやティックトックにアップしたら確実に炎上するだろうなと思う。なにせ三十年も前のこと、許して欲しいし、あなた方は紅茶でも飲みながら所詮子供のしでかしたことと、笑って許す務めがある。嘘だもん。金網を乗り越えたり、キセルなんてしてないもん。