ミドリガメの行方
- 2023/05/27
- 09:35
6月1日から法律が改正されアメリカザリガニ・アカミミガメ(以下ミドリガメ)飼育の規制が始まる。
人為的に移入された生き物ゆえ、ザリガニもミドリガメも人里離れた自然環境の豊かなところよりもむしろ都会の公園などの方が却って多いと思われる。晴れた日に上野・不忍池を覗くと石の上で甲羅干しをするミドリガメをかなりの確率で見かける。それも一匹、二匹ではなく相当の数だ。恐らく、皇居のお堀や新宿御苑の池でも似たり寄ったりだろう。
2006年の動物愛護法改正により最近はペットショップでも見かけなくなったが以前は縁日での亀すくいやUFOキャッチャーの景品としてもミドリガメは扱われており、またホームセンターでは1匹200円程度と非常に安価だったため、子供たちの「玩具」として広く流通していた。
しかしながら、すぐに大きくなり、餌や水槽の管理も面倒になって、近隣の池や川に離されたのは周知の事実。気持ちは分からなくもない。いくらいらなくなったからといって今までペットとして飼っていたものを殺すのは忍びない。だからこそ、ミドリガメは平気で川や池に捨てられたのだが、問題はミドリガメの異常な生命力。元々北米原産の亀ゆえ、冬も越せれば真夏の暑さも平気。しかも悪食で繁殖力は旺盛、増えぬわけがない。事実増えた。
余談だが、3年ほど前仕事で霞ヶ浦近くに出掛けた。霞ヶ浦の周辺にはハス田(レンコンを栽培している田んぼ)が広がる。ハス田に挟まれた県道を車で走っていると前方に道路を横切る大きなミドリガメ。慌ててブレーキを踏み、車を降り、ミドリガメを車に轢かれぬよう、捕まえて脇のハス田に投げ入れた。当時から外来生物であったため、本来は殺すべきであったのだろうがやはり出来なかった。また咄嗟の判断であるとはいえ、レンコンを食べてしまうミドリガメをハス田に投げ入れたのはたとえ悪意がなかったとしても非常にまずかったといえる。反省すべき点である。
だからといってミドリガメを持ち帰って俺が終生飼育するのも違う気がするし、ひき殺してしまえばよかったのかといえばそれも違う気がする。では放置が一番か、よくわからない。
6月1日からアメリカザリガニ・ミドリガメは「条件付特定外来生物」に指定され、家庭での飼育はこれまで通り可能だが、放流は禁止になる。
放流禁止、殆ど意味はないだろうなと思う。
子供がザリガニやミドリガメを興味本位で捕まえてくるが、いずれ飽きられてしまうのはもはや宿命。10歳の少年にこれから先何十年も飽きるなと咎める方が酷だろう。
だいたいザリガニやミドリガメを犬猫のように愛情をもって寿命を全うするまで飼育した人を正直なところ見たことがない。ミドリガメの寿命は未だによく分かってないが飼育下では30年とも40年とも言われている。かなりの長命だ。30年も40年もミドリガメを家族の一員として飼育している人はよほどの爬虫類マニアであるか規範意識のすこぶる高い人だと思えてならないが、果たして本当にそういう人はいるのだろうかと訝しくもなる。
そもそもツチノコと同じではじめからそんな人はおらず都市伝説の類に思えてくる。亭主の亀頭は愛せてもミドリガメの頭を40年も変らず愛し続ける人がいるのならそれは相当稀有な存在だ。
子供の頃、ミドリガメを飼育していたがあのミドリガメ、その後いったいどうなったのかはまったく覚えていない。川に捨ててしまったのか、それとも死んでしまったのかうろ覚えどころかまったく記憶がない。ミドリガメに関していえば恐らく殆ど人が同じようなものだと自己肯定をしてみる。
結局、ミドリガメの終生飼育など絵空事でしかなく、大半は飽きられて再度池や川に離されてしまうと考える方がよほど合理的でもある。10歳の少年に捕らえられたミドリガメがそのまま年月を重ね、少年が50歳のお父さんになるまで手元にいるとは到底考えにくい。
本気で環境を考えるのであれば中途半端なことなどせず、家庭での飼育禁止、飼育が発覚次第罰金処分にでもしないと結局また元の木阿弥だろう。或いは目安箱ならぬ自治体が亀箱、ザリガニ箱を用意して不要になったミドリガメ、アメリカザリガニを代わって殺処分する。これぐらいしないと根絶は難しかろうと思う。
人為的に移入された生き物ゆえ、ザリガニもミドリガメも人里離れた自然環境の豊かなところよりもむしろ都会の公園などの方が却って多いと思われる。晴れた日に上野・不忍池を覗くと石の上で甲羅干しをするミドリガメをかなりの確率で見かける。それも一匹、二匹ではなく相当の数だ。恐らく、皇居のお堀や新宿御苑の池でも似たり寄ったりだろう。
2006年の動物愛護法改正により最近はペットショップでも見かけなくなったが以前は縁日での亀すくいやUFOキャッチャーの景品としてもミドリガメは扱われており、またホームセンターでは1匹200円程度と非常に安価だったため、子供たちの「玩具」として広く流通していた。
しかしながら、すぐに大きくなり、餌や水槽の管理も面倒になって、近隣の池や川に離されたのは周知の事実。気持ちは分からなくもない。いくらいらなくなったからといって今までペットとして飼っていたものを殺すのは忍びない。だからこそ、ミドリガメは平気で川や池に捨てられたのだが、問題はミドリガメの異常な生命力。元々北米原産の亀ゆえ、冬も越せれば真夏の暑さも平気。しかも悪食で繁殖力は旺盛、増えぬわけがない。事実増えた。
余談だが、3年ほど前仕事で霞ヶ浦近くに出掛けた。霞ヶ浦の周辺にはハス田(レンコンを栽培している田んぼ)が広がる。ハス田に挟まれた県道を車で走っていると前方に道路を横切る大きなミドリガメ。慌ててブレーキを踏み、車を降り、ミドリガメを車に轢かれぬよう、捕まえて脇のハス田に投げ入れた。当時から外来生物であったため、本来は殺すべきであったのだろうがやはり出来なかった。また咄嗟の判断であるとはいえ、レンコンを食べてしまうミドリガメをハス田に投げ入れたのはたとえ悪意がなかったとしても非常にまずかったといえる。反省すべき点である。
だからといってミドリガメを持ち帰って俺が終生飼育するのも違う気がするし、ひき殺してしまえばよかったのかといえばそれも違う気がする。では放置が一番か、よくわからない。
6月1日からアメリカザリガニ・ミドリガメは「条件付特定外来生物」に指定され、家庭での飼育はこれまで通り可能だが、放流は禁止になる。
放流禁止、殆ど意味はないだろうなと思う。
子供がザリガニやミドリガメを興味本位で捕まえてくるが、いずれ飽きられてしまうのはもはや宿命。10歳の少年にこれから先何十年も飽きるなと咎める方が酷だろう。
だいたいザリガニやミドリガメを犬猫のように愛情をもって寿命を全うするまで飼育した人を正直なところ見たことがない。ミドリガメの寿命は未だによく分かってないが飼育下では30年とも40年とも言われている。かなりの長命だ。30年も40年もミドリガメを家族の一員として飼育している人はよほどの爬虫類マニアであるか規範意識のすこぶる高い人だと思えてならないが、果たして本当にそういう人はいるのだろうかと訝しくもなる。
そもそもツチノコと同じではじめからそんな人はおらず都市伝説の類に思えてくる。亭主の亀頭は愛せてもミドリガメの頭を40年も変らず愛し続ける人がいるのならそれは相当稀有な存在だ。
子供の頃、ミドリガメを飼育していたがあのミドリガメ、その後いったいどうなったのかはまったく覚えていない。川に捨ててしまったのか、それとも死んでしまったのかうろ覚えどころかまったく記憶がない。ミドリガメに関していえば恐らく殆ど人が同じようなものだと自己肯定をしてみる。
結局、ミドリガメの終生飼育など絵空事でしかなく、大半は飽きられて再度池や川に離されてしまうと考える方がよほど合理的でもある。10歳の少年に捕らえられたミドリガメがそのまま年月を重ね、少年が50歳のお父さんになるまで手元にいるとは到底考えにくい。
本気で環境を考えるのであれば中途半端なことなどせず、家庭での飼育禁止、飼育が発覚次第罰金処分にでもしないと結局また元の木阿弥だろう。或いは目安箱ならぬ自治体が亀箱、ザリガニ箱を用意して不要になったミドリガメ、アメリカザリガニを代わって殺処分する。これぐらいしないと根絶は難しかろうと思う。