事後法はさすがにダメだろ
- 2022/07/25
- 13:17
また反安倍かよと言われるかもしれないが、山上徹也容疑者の死刑は反対。彼を死刑に処すべし論は親安倍派のみならず、検察の中にも相当程度あるという。
偉い人を殺したから罪を重くしろということが成立してしまうと、じゃあホームレスや生活保護者は偉くないのだから殺しても構わないのかという理屈が成立してしまう。
一般的に死刑には永山基準というものがあり、有り体にいえば原則一人の殺害の場合は無期懲役、若しくは懲役20年などの有期刑。一応、「奈良小1女児殺害事件」の小林薫は一人の殺害でも死刑判決を受け、実際、死刑を執行されている、しかし、あの事件は殺害した幼児の写真を親に送るなど稀に見る非道さ、また、殺人の前科こそなかったものの、小林には多数の前科前歴があり、法廷でも反省の弁を述べるでもなく、あくびをするなど裁判官の心証は最悪、極刑も致し方なしだろう。
今回の場合、手製の銃火器を用意するなど計画性が高く、用意周到ではあるが、山上容疑者に前科はなく、殺害は安倍元総理のみに絞っている。民間人やSPを巻き込んでいない。
殺害したのが偉い人であるから死刑、ホームレスであるから懲役10年みたいなことがまかり通ってしまうと法治国家しての整合性が取れなくなってしまう。
もちろん、民事では別だ。本人に賠償能力がなく、実際問題、民事賠償は成立しないと思うが、ライプニッツ係数を元に安倍さんとホームレスとを比較した場合、賠償金が異なるのは当然、それは分かる。事実、無常ではあるが、交通事故などの賠償も被害者が医師や弁護士などの高額所得者と無職とでは賠償金がまったく違う。
親安倍派が山上を死刑にしろと騒ぐのも分かるし、理解できる。肉親や愛する人を殺されれば死刑にしろと言いたくなる気持ちは痛いほど理解できる。俺だって、同じ立場になれば殺せと騒ぐだろう。
また、一部識者の中にはここで彼を死刑にしないと、第二、第三の要人暗殺事件が起こってしまうという危惧があるのも分かる。
それなら永山基準なんてものを撤廃して、銃火器などの凶器を用いた殺人事件は身分を問わず、問答無用で死刑に処すと、法改正をしなければ法治国家ではなくなってしまう。仮にそう法改正になったとしても、それはこれからの事件に対して有効であって、もし今回の事件を当てはめてしまうと、極東国際軍事裁判のように初めから死刑ありきの裁判になってしまう。その点、インドのパール判事が述べた、「平和に対する罪と人道に対する罪は戦勝国により作られた事後法であり、事後法をもって裁くことは国際法に反する」、これこそが法治国家の原則でしょう。
もっとも、東条英機以下戦犯は仮に無罪になったとしても、腹をかっ切って国民にお詫びすべき話である。石田三成は無罪か有罪かといえば無罪、たまたま家康の方が一枚上手であったというだけであり、良いも悪いもない。しかし、敗軍の将は兵を語らずで腹を切って責任を取るのが武家の習わし、それと東条英機ら戦犯も同じ。どのみち死んでお詫びするしかないのだが、裁かれて死罪になるのと、自ら詰め腹を切るのとでは意味が天と地ほども違う。
話が逸れた。
恐らく、山上容疑者はその場で射殺されることも覚悟をしていたと思う。安倍氏殺害だけを目的としており、目的を完遂後、彼は逃げるでもなく、抵抗もしていない。むろん、誰かを人質に取るということもしていない。こういっちゃなんだが、妙に潔いのである。
もっとも、山上容疑者本人にすれば死刑だろうが、無期懲役だろうが、大した差はないんじゃないだろうか、なんとなくだが、そう思う。
個人的には出獄した後が地獄であるから、日本社会党書記長・浅沼稲次郎殺害事件の右翼少年山口二矢のように、塀の中で自殺してしまった方が案外幸せかもしれないがね。
偉い人を殺したから罪を重くしろということが成立してしまうと、じゃあホームレスや生活保護者は偉くないのだから殺しても構わないのかという理屈が成立してしまう。
一般的に死刑には永山基準というものがあり、有り体にいえば原則一人の殺害の場合は無期懲役、若しくは懲役20年などの有期刑。一応、「奈良小1女児殺害事件」の小林薫は一人の殺害でも死刑判決を受け、実際、死刑を執行されている、しかし、あの事件は殺害した幼児の写真を親に送るなど稀に見る非道さ、また、殺人の前科こそなかったものの、小林には多数の前科前歴があり、法廷でも反省の弁を述べるでもなく、あくびをするなど裁判官の心証は最悪、極刑も致し方なしだろう。
今回の場合、手製の銃火器を用意するなど計画性が高く、用意周到ではあるが、山上容疑者に前科はなく、殺害は安倍元総理のみに絞っている。民間人やSPを巻き込んでいない。
殺害したのが偉い人であるから死刑、ホームレスであるから懲役10年みたいなことがまかり通ってしまうと法治国家しての整合性が取れなくなってしまう。
もちろん、民事では別だ。本人に賠償能力がなく、実際問題、民事賠償は成立しないと思うが、ライプニッツ係数を元に安倍さんとホームレスとを比較した場合、賠償金が異なるのは当然、それは分かる。事実、無常ではあるが、交通事故などの賠償も被害者が医師や弁護士などの高額所得者と無職とでは賠償金がまったく違う。
親安倍派が山上を死刑にしろと騒ぐのも分かるし、理解できる。肉親や愛する人を殺されれば死刑にしろと言いたくなる気持ちは痛いほど理解できる。俺だって、同じ立場になれば殺せと騒ぐだろう。
また、一部識者の中にはここで彼を死刑にしないと、第二、第三の要人暗殺事件が起こってしまうという危惧があるのも分かる。
それなら永山基準なんてものを撤廃して、銃火器などの凶器を用いた殺人事件は身分を問わず、問答無用で死刑に処すと、法改正をしなければ法治国家ではなくなってしまう。仮にそう法改正になったとしても、それはこれからの事件に対して有効であって、もし今回の事件を当てはめてしまうと、極東国際軍事裁判のように初めから死刑ありきの裁判になってしまう。その点、インドのパール判事が述べた、「平和に対する罪と人道に対する罪は戦勝国により作られた事後法であり、事後法をもって裁くことは国際法に反する」、これこそが法治国家の原則でしょう。
もっとも、東条英機以下戦犯は仮に無罪になったとしても、腹をかっ切って国民にお詫びすべき話である。石田三成は無罪か有罪かといえば無罪、たまたま家康の方が一枚上手であったというだけであり、良いも悪いもない。しかし、敗軍の将は兵を語らずで腹を切って責任を取るのが武家の習わし、それと東条英機ら戦犯も同じ。どのみち死んでお詫びするしかないのだが、裁かれて死罪になるのと、自ら詰め腹を切るのとでは意味が天と地ほども違う。
話が逸れた。
恐らく、山上容疑者はその場で射殺されることも覚悟をしていたと思う。安倍氏殺害だけを目的としており、目的を完遂後、彼は逃げるでもなく、抵抗もしていない。むろん、誰かを人質に取るということもしていない。こういっちゃなんだが、妙に潔いのである。
もっとも、山上容疑者本人にすれば死刑だろうが、無期懲役だろうが、大した差はないんじゃないだろうか、なんとなくだが、そう思う。
個人的には出獄した後が地獄であるから、日本社会党書記長・浅沼稲次郎殺害事件の右翼少年山口二矢のように、塀の中で自殺してしまった方が案外幸せかもしれないがね。