覆面の北枕

令和の御代にまさかこんなことをする人がいるのかとコーヒー牛乳を吹き出しそうになったがいよいよ御用、まあバカですわ。

しかも捕まったのは72歳のジジイ、あんた72年も生きてきて、いったいなにを学んだのか、バカ過ぎて思わず北朝鮮を絨毯爆撃したくもなるが、冷静になって考えればアホでも分かるだろ、藁人形に限らず、あらゆる呪いに関するものはすべて嘘。あり得ません。

イチイチ説明するのもバカバカしいが、呪いで誰かを殺せるのならそもそも戦争なんか起きねぇだろうって。今回、この爺さんが呪い殺そうと思ったプーチン、こんな藁人形で殺せるのならばアメリカがとっくの昔にプーチンを呪い殺している。プーチンだけじゃない、金正恩も習近平も同様。呪いなんて非科学的なものがないからこそ、多大な犠牲を払って、フセインやビン・ラーディンを掃討したわけじゃねぇか。

確かにアメリカ陸軍ではスターゲイト・プロジェクトと称して、透視などの超能力について一時期、国家を挙げて研究していたのは事実である、しかし、この研究は1995年に「成果無し」と総括された上で終結している。一応、CIAが引き継いだようではあるが、こんなバカげた研究に多額の研究費を投じるぐらいなら新型兵器を開発する方がよっぽど現実的だろう。透視研究をするぐらいならネットのハッキングとか人工衛星を使った画像解析の精度を高める方がよっぽど現実的だ。

だから、ジジイには残酷かもしれないが、呪いの藁人形なんてものは全く以て効果を発揮しません、1ミリどころか1ミクロンも。

また、呪いの藁人形をオカルト的に説明しても矛盾が生じる。

呪いの藁人形は深夜1時から3時のいわゆる丑三つ時に神社の御神木に藁人形を五寸釘で打ち付けると相手を呪い殺せるというが、これがなにかの拍子に第三者を含めてバレてしまうと、今度は打ち付けたそいつが逆に祟りにあって呪い殺されてしまうという。ジジイ、お前、これだけ日本中に恥を晒したのに生きてんじゃん（笑）。皮肉にもジジイ自ら、呪いの藁人形がインチキだって証明しちゃっている。

ただ、昔、兄貴分のIさんに聞いたことがあるのだが、Iさんが子供の時、近くの神社の裏山でカブトムシを採って遊んでいたら、藁人形が打ち付けてあったんだって。昼間でも薄暗く不気味なのに深夜だろ、子供心にも世の中にはこういうことをする奴がいるのだと思ったら思わず身震いしたって。

幸い、俺は未だかつて実際に打ち付けられた藁人形を見たことはないが、草木も眠る丑三つ時、白装束を着て、藁人形を打ち付けている人を見たら、呪い以前にそいつを別の意味で怖いと思う、俺のことをいくら呪い殺してくれても構わないが、そういうキチガイとは心底関わりたくないわな。