覆面の北枕

芸能界での性行為強要問題、まだまだ氷山の一角なのか、それともここらへんで一旦打ち止めなのか、正直、あまり芸能界に興味がないので個人的にはどうでもいいと思っているのだが、ただ、一つ言えるのは半ば脅して女性の股を開かせたところでそれは面白いのかねということ。

世の中にはいろいろな性癖の方いて、相手がどうこうよりも自分だけが良ければそれでいいという人もいれば、嫌がっている女の子を無理やり手籠めにすることによって、自己の征服欲が満たされるというサディスティックな性分の人もいるのでしょう。

ただ、捕まる捕まらないは別にして、俺はそういうの嫌なんですよね。

嫌がっている女の子をヤルということは当然、女の子の側として考えると、自分を恋愛対象として見ていないということじゃない。

確かに職場の人間として尊敬しているとか、友人という間柄としては気の置けない関係ということもあるでしょう。でもlikeとloveが別物なのは言わずもがな、友人として好きと恋人として好きとは向いている方向だけが一緒で意味はまるで違う。

よくね、本当かどうかは分かりませんけど、酔った勢いでヤッてしまったなんて話もあるじゃない、別にテキーラ飲ませて意識がぶっ飛んでいるところを無理やりヤルではなくて、なんとなく、その場の雰囲気というのか、失恋して心が弱っているときに優しくされてついついホロっととか、旦那さんとは何年もレスで、旦那の愚痴を聞いてもらっているうちにいつの間にかそういうムードになってホテルに行ってしまうとかいうあれよ。

これもひと時の過ちかもしれないけど、一瞬はloveの方になった結果だと思うのね、そういう場面になったことがないから知らんけどさ。

これは全然いいの、後で修羅場になるとしても当事者間で納得ずくめでヤッているんだから。

そうじゃなく、明らかに俺のことを嫌っている、ないしはどんなによく考えても男としてまったく意識していないという状況で、なにか餌をぶら下げてヤッたってなんかそれって単純につまんないんじゃないのと思ってしまう。

だから、あり得ないけど、仮にだよ、強姦しても捕まらない方法があったとするじゃない、本当に仮にね、仮にそんな方法があったとしても俺はやらないね。つまらな過ぎるだろう。

変な話、立場を利用するのであればいくらでもとは言わないけれど、それなりにあれこれは出来たと思う。でもしなかった、それはなぜかというとそんなことをしてもつまらな過ぎるから。それでヤッたところで、少なくとも俺の場合は後悔しか生まれない。相手に対する後悔と、自分自身を裏切ってしまったという後悔、反省はしても後悔はしない、けだし名言であるが、後悔するのが分かっているので俺はしない。

ちょっと今すぐにはどういう人かとは思い浮かばないが、俺が見た目も性格も理想とする女性がいたとする、なにか彼女の弱みを俺が握っている、それでも、なにもしない自信がある。弱みという部分を抜きにして、なにかアピールをするかもしれないが、その結果、俺のことを好きになってくれないなら結局はそこまでだろうよ。

こういうところ、意外に堅いというか、一途なロマンティストというか、見た目に反して駄目なんすわ。

でも、そんな不器用な俺を俺が好き。