ASKA premium concert tour-higher ground-アンコール公演(いわき市芸術文化交流館アリオス)
- 2022/03/28
- 11:16

ASKAのコンサートに行ってきました。
ASKAに関してはやはり思うことがあり、それは違法薬物での逮捕歴があるということ。
前科者のお前に語る資格があるのかと言われたら確かにそう、ただ、散々警察にご厄介になったものの、俺の場合、合法(脱法)、違法を問わず、シノギを含めてドラッグというものに手を出したことがなく、真っ当な生き方をしている人からするとなにをクソみたいなことをいってやがんだという話だが、逮捕歴があっても尿検査すらされていないのはささやかな自慢だったりする。
まず、結論からいうと、コンサート自体は凄くよかった。
ASKAソロの曲目はもちろんのこと、チャゲアスの名曲PRIDEやWALKも演奏され、何故か光GENJIのパラダイス銀河を聴きながら涙が溢れた。当時、光GENJIにまったく興味がなかったのに(笑)。
それでまあこの感動とは別にして、曲に罪があるのかないのか、これは未だに咀嚼出来ないでいる。
たとえば槇原敬之の「世界に一つだけの花」、この曲って日本の音楽史に名を残す、名曲中の名曲だと思う。個人的には「上を向いて歩こう」、「川の流れのように」と並ぶ珠玉の名曲だと思うのだが、仮にこの世界に一つだけの花を槇原が覚せい剤の力を借りて作ったのであればこれはアリかナシかというのがどうしても分からない。
そもそも比較の対象が違うのかもしれないが、もし、スポーツ選手が禁止薬物の力を借りて、競技に参加したら厳しく糾弾される。
スポーツは厳格に禁止薬物の使用が禁忌とされているのに、アーティストであれば当人が罰せられはするものの、生み出した曲に関しては割りと寛容であるというか。これがよく分からない。
テレビ局やラジオ局の扱いは別にして、個人での受け取り方はもちろん人それぞれで、違法ドラッグと曲とを分けて考える人もいれば、やはりけしからんと思う人もいる。
俺の場合もいいものはいいという意識と、違法ドラッグの力が曲の制作には不可欠であったというのであればやはりこれは厳しく指弾するべきかという思いが交錯して、ずーっとせめぎ合っている。
そういったことを無視してフラットな状態で見れば昨夜のコンサートは控えめにいって最高。
でも、まったくフラットな状態で見れたのかといえば、決してそうではない。
もちろん、今なお、シャブでヨレているというのあれば言語道断だが、更生を誓い、音楽づくりに精進するというのであれば素直に応援したいという気持ちはある、だが、過去の自分の経験上、一度覚せい剤で頭がイカれてしまった奴にまともなのがいないというのも事実。
特にASKAの場合は結果的に不起訴であったが、再逮捕もされている。不起訴であるからもしかしたら組対(警視庁組織犯罪対策課)の勇み足であったともいえなくもないが、一般的に有名人の逮捕は社会的な影響力も相まって、相当に慎重な捜査が求められる。間違いでしたが許されないのは一般市民も同じだが、市民を逮捕するのとはわけが違う。ワッパ(手錠)の重みがまるで違うのだ。
本件に関しては無罪放免となったが、実際の尿検査では微量の覚せい剤が検出されている、マスコミが面白おかしく取り上げたにせよ、疑惑が霧消したかといえば必ずしもそうはいえない。
だからこそ、どうしても余計、素直に更生したとは思えないでいる
結局のところは月並みだが、今なにも違法行為をしていないのであれば、受け入れるにしても、受け入れないにしても、或いは俺のように答えが出せずにいたとしても、あとは各人が自由に考え、応援する人は応援すればいいし、チャゲアス時代からの熱狂的なファンであっても幻滅して、二度とASKAの曲は聴かないという人がいてもいいということになってしまう。
ただ、歌のうまさは圧倒的、小室哲哉をして、ASKAの声質はとんでもない倍音であり国宝物と言わしめただけのことはある、64歳を迎えた今もその美声が衰えることは微塵もない、それは確かだ。