覆面の北枕

『「マスクせえや言わんかったら」　暴行受け半身不随、男性の後悔』（毎日新聞）

テレビニュースでも結構報道されたので知っている人もいるとは思うが、かいつまんで説明すると、半身不随になった男性はコインパーキングでマスク非着用の男を見掛け、「マスクせえや」と注意、この注意が男の逆鱗に触れ、男は男性の首を絞めるなどの暴行、被害の男性、一命は取り留めたものの、結果、脊椎（せきつい）損傷の重傷を負い、下半身不随となり、車椅子での生活を余儀なくされる。

犯人は逮捕されたのだが、正直、この半身不随の男性にまったく同情は出来ないよな。

もちろん、暴力はあかん。ましてや、半身不随になるほどの暴力って、理由の如何は別にして言語道断。

しかしですよ、この男性が注意をしなければこの容疑者も殴り掛かってこなかったはず、なにもしていないのに殴り掛かってきたらそれはほんまもんのキチガイだ。恐らく容疑者は普段からキレやすいなどの性格だったかもしれないが、だからといって、見ず知らず人に対していきなり殴り掛かってはこないだろう。

しかもだ、屋内ならまだ分かるのだが、屋外のコインパーキングでマスクをしてようがしてまいが、さすがにそれは個人の自由だろう。イチイチ、注意なんかしてくんなよという話だ。

俺だって同じことをされたら胸ぐら掴むぐらいのことはするかもしれん。

そもそも、この半身不随になったおっさんというのが、正義を履き違えてんだよ。感染拡大防止のため、マスクをさせようという善意なのは分かるのだが、駅や繁華街の往来など、人通りが多い場所ならともかく、コインパーキング内なんて密にもなりようがない。別に容疑者を擁護するつもりはさらさらないが、容疑者だってマスクをポケットに入れ、人が多い場所になったらマスクをする予定だったのかもしれないだろ。

世の中にはアンタッチャブルな奴というのがいる。

そういう奴とは関わらないのが一番。この容疑者がいかにもヤクザ風を吹かせたアンタッチャブル野郎なのかどうかは分からないが、もし仮に分からないのであれば尚更見て見ぬふりすればいいの。だって法律を犯しているわけじゃないもの。目の前で女、子供、年寄りがよってたかっていじめられているというのであれば向こう見ずの正義も時には必要だが、たかだかコインパーキングでのマスク非着用だぞ、そんなもの放っておけって話じゃん。

また、お前の話かよと言われるかもしれないが、俺の場合、最近は基本的になにかあったら110番。

どうでもいいもめごとに首を突っ込んで怪我をしたり、殺されたりするのは嫌なので、なにかあれば国家権力にお任せする。

先日もウチのマンションの前に個人でやっている英会話教室があるのだが、ここに通う子供たちを迎える、父兄の車が路駐して結構迷惑。マンションの駐車場出入口の目の前に停める奴もいて、マンションから出るときも、マンションに帰ってくるときも邪魔なのだ。また、路駐のクルマがあると死角が出来るため、起きなくてもいい交通事故が起きてしまうかもしれない。はねられた方も悲劇だが、はねた方もまた悲劇だ。

そんなものだから英会話教室に怒鳴り込んでもいいのだが、面倒くさいじゃん、逆に変な奴が乗り込んできたと俺が通報されるかもしれないし。だから、ひたちなか警察署の交通課に訳を話し、後のことはお願いした。

恐らく警察から指導があったんだろうな、ママさんたち路駐をしなくなった。

これでよくね？

どういう形であれ、路駐が解消されれば俺はそれでいい。

昔から義を見てせざるは勇無きなりというが、その義を履き違えんなよという話だ。半身不随になってからでは遅すぎる。