張り紙
- 2019/12/12
- 18:10
ウチの隣に戸建ての家があり、そこの家の塀に筆書きの達筆な文字で、「自転車を持ち去った方、困っておりますので返してください」と書いた張り紙がしてあった。
この文章を書くまでにこの家の方は、「サインペンがいいか、それとも筆ペンがいいか、文字の色は赤か黒か、盗んだでは角があるから持ち去ったの方がいいか、本当なら泥棒と書きたいところだが慎ましく『方』と書こう」、等々、色々と逡巡をしたのだろう。
久々にええもんを見たというか、まさに心が洗われる思いでした。
この張り紙に対して、以前水戸の住宅街で見た張り紙は鬼気迫るものがあった。
「おい、花泥棒、花を盗むと病気になるぞ」
軒先で育てているプランターの花が盗まれてしまうんだろうな。気持ちはよく分かる。花の成長を愛でることは心の安寧に繋がるはずなのに、気が付くと肝心の花がむしり取られてそこにない。安寧どころか暗澹たる気持ちにもなるだろう。
それで勢い余ってついて出た言葉が「病気になるぞ」。
これはこれで味わい深く、ええもんを見させてもらったと俺はその張り紙に密かに手を合わせたのであった。
「ごめんなさい、僕が花を盗んで・・・」
この文章を書くまでにこの家の方は、「サインペンがいいか、それとも筆ペンがいいか、文字の色は赤か黒か、盗んだでは角があるから持ち去ったの方がいいか、本当なら泥棒と書きたいところだが慎ましく『方』と書こう」、等々、色々と逡巡をしたのだろう。
久々にええもんを見たというか、まさに心が洗われる思いでした。
この張り紙に対して、以前水戸の住宅街で見た張り紙は鬼気迫るものがあった。
「おい、花泥棒、花を盗むと病気になるぞ」
軒先で育てているプランターの花が盗まれてしまうんだろうな。気持ちはよく分かる。花の成長を愛でることは心の安寧に繋がるはずなのに、気が付くと肝心の花がむしり取られてそこにない。安寧どころか暗澹たる気持ちにもなるだろう。
それで勢い余ってついて出た言葉が「病気になるぞ」。
これはこれで味わい深く、ええもんを見させてもらったと俺はその張り紙に密かに手を合わせたのであった。
「ごめんなさい、僕が花を盗んで・・・」