経営哲学
- 2019/10/09
- 11:45
前回の続きであるが、起業して成功している人の特徴を言う。
なお、あくまでも個人事業主及び中小企業の社長さんに限っての話である。生憎、上場企業の社長に知り合いがいないため、上場企業の社長になるような人は当てはまらんかもしれん。
その成功している個人事業主及び中小企業の社長さんであるが、ほぼ確実にいえるのはいい意味で大雑把、あまり哲学的なことを考えないという資質が傾向として見受けられる。裏を返すと、神経質な人でやたらと哲学的なことを考える人はいないということである。
「なんでこの商売はじめたんですか?」
「あ、なんではじめたかって?学校の勉強が大っ嫌いだったから高校出たらすぐに働いてさ、色々転職したらこの仕事に辿り着いたの。それで5年ぐらいしたら親方におめぇも自分でやってみっかといわれて始めたんだよ」
「哲学みたいなものはありますか?」
「哲学?なんだそりゃ?俺にくっ付いてきてくれる若い奴らがおまんま食えて、オッカとガキが飯食えればそれでいいんだよ。あとは俺りゃあ脳みそ動かすの嫌いだが、体動かすのは好きだからよ、現場に出て若い連中と一緒になって体動かしてると疲れっけど、楽しいいんだわ、仕事終わってから飲むビールがうめぇこと、うめぇこと、ん、哲学?そうだ、しいて言うなら仕事した後に飲むビールのうまさか、そのためだけに働いているな、これが俺の仕事に対する哲学だ、あと、これは嫁に内緒だけど、たまにデリ呼ぶんだ、それも哲学っちゃ哲学か、オメー、ウチのおっかに会っても余計なこと言うんじゃねぇぞ、ガハハハ」
まあだいたいこんなもの。
人間の存在意義だとか、何故人は働くかなんてことを考えだしたらキリがない、というか、答えなんか出ない。
古代ギリシアのアリストテレスやソクラテスが哲学を提唱して、2500年ぐらい経っているのに万人に当てはまる哲学の答えなど誰も出せていない。だから考えるだけ無駄でさ、楽だから、楽しいから、他にすることが思いつかなかったからというお気楽的な動機だって全然構わないと思う。
ちなみに俺の場合、「金が儲かるか否か」だけが哲学的な理由。
若い時と違い、今はこれに「合法的に」がつくが、本当もうそれだけ。もちろん最低限、女子供年寄りを泣かすようなことをしないという大前提がつくが、あとはなにも考えない。何故金を稼がなくちゃならんのかなんてことを考えだしたらキリがない。別に起業の動機はカネを握っていい車転がして、モデル並みのいいオンナをはべらせたいなんていう不純な動機でも構わない。むろん、だからといって振り込め詐欺や違法薬物の売買なんかは言語道断であるけども。
一代で上場企業の社長になるような人は高い志と仕事に対する哲学を持っているのであろうが(くれぐれもそういう人と付き合いがないので知らない)、中小企業の社長で年収1000~3000万円程度稼いでいる人であれば哲学なんてものは実際あまり気にしている人はいない。ましてや世の中をよくしようとか、郷土に貢献しようなんて意識はほぼないといっていいだろう。あるのはあそこの店には負けたくないとか、とりあえずなんとなく向いてそうだからやっている的なありきたりな理由。
何故か起業というとドラスティックに考えがちなのだ。
これはテレビなどのメディアにも原因があるのだが起業とは尊くて、険しい茨の道を乗り越えていくものという幻想を抱かせてしまう。暴力的な大将にしごかれ、そのしごきを耐え抜いて店を出す、ふらっと元いた店の大将が訪れて、寿司(ラーメンでも可)を握らす、食べた大将がぼそりと一言、「これでオメーも一人前だな」、起業家である店主号泣みたいなストーリーを描かせたいんだわ。
「あー?寿司の修行?んなものは1ヶ月も握りの練習して、いい魚の卸屋見つければ誰でもなれるわ、あとは立地と値段だろうな~、俺らは食中毒だけ気を付けてればいいんだよ、今はなんかあるとすぐ食べログとかに書かれるからよ、そうそう、ちょっと前に鼻くそほじってて思いついたんだけどよ、サーモンに鼻くそみてぇなキャビアと金箔乗せたらバカなオンナがなんだ最近のあれ、そうバエ、インスタ映えな、わー、キレ―なんて嬉しそうに写真撮ってんだよ、まさか鼻くそが根拠だなんて思ってねぇだろう(笑)、キャビアと金箔なんか原価にすりゃせいぜい100円ぐらいなのにそれだけで普通のサーモンより1000円も余計に取れるんだからたまらんわ(笑)、おい、オメーこんなことネットに書くんじゃねぇぞ」などと受け答えしている店が人気店だったりすると絵的に面白くない。
ともかく、自分の経験も踏まえ、確実にいえるのは几帳面な性格で少しでもズレが生じるとイライラして顔に出る、こんな人でうまくいっている人を見たことがない。
確かにまるっきりザルという人もいないが1分1秒でも時間がズレたら許せないとか、1円単位まで細かく数字をチェックして合っていないと夜中まで電卓を弾く、こんな無駄なことをして成功している社長さんを知らない(くどいが上場企業の社長は知らないので分からん)。そんな些末なことにこだわるぐらいなら新規の取引先を開拓するか、或いは寝て体力を回復したほうがよっぽど建設的。1分遅れたり、1円数字が合わなくて会社が傾くような業務形態であれば早晩商売は傾く。
経営者は鷹揚に構えて、儲かるか儲からないか、楽しいか楽しくないか、向いているか向いていないか、楽か苦しいか、これぐらいを基準に考えていた方がうまくいく。むろん、廃業イコール死であると、退路を閉ざし、自分を背水の陣に追い込むなんてことは愚の骨頂、アホの極み。失敗したらまた違う商売すりゃあいいんだ程度に軽く考えていた方が得てして成功するものです。
なお、あくまでも個人事業主及び中小企業の社長さんに限っての話である。生憎、上場企業の社長に知り合いがいないため、上場企業の社長になるような人は当てはまらんかもしれん。
その成功している個人事業主及び中小企業の社長さんであるが、ほぼ確実にいえるのはいい意味で大雑把、あまり哲学的なことを考えないという資質が傾向として見受けられる。裏を返すと、神経質な人でやたらと哲学的なことを考える人はいないということである。
「なんでこの商売はじめたんですか?」
「あ、なんではじめたかって?学校の勉強が大っ嫌いだったから高校出たらすぐに働いてさ、色々転職したらこの仕事に辿り着いたの。それで5年ぐらいしたら親方におめぇも自分でやってみっかといわれて始めたんだよ」
「哲学みたいなものはありますか?」
「哲学?なんだそりゃ?俺にくっ付いてきてくれる若い奴らがおまんま食えて、オッカとガキが飯食えればそれでいいんだよ。あとは俺りゃあ脳みそ動かすの嫌いだが、体動かすのは好きだからよ、現場に出て若い連中と一緒になって体動かしてると疲れっけど、楽しいいんだわ、仕事終わってから飲むビールがうめぇこと、うめぇこと、ん、哲学?そうだ、しいて言うなら仕事した後に飲むビールのうまさか、そのためだけに働いているな、これが俺の仕事に対する哲学だ、あと、これは嫁に内緒だけど、たまにデリ呼ぶんだ、それも哲学っちゃ哲学か、オメー、ウチのおっかに会っても余計なこと言うんじゃねぇぞ、ガハハハ」
まあだいたいこんなもの。
人間の存在意義だとか、何故人は働くかなんてことを考えだしたらキリがない、というか、答えなんか出ない。
古代ギリシアのアリストテレスやソクラテスが哲学を提唱して、2500年ぐらい経っているのに万人に当てはまる哲学の答えなど誰も出せていない。だから考えるだけ無駄でさ、楽だから、楽しいから、他にすることが思いつかなかったからというお気楽的な動機だって全然構わないと思う。
ちなみに俺の場合、「金が儲かるか否か」だけが哲学的な理由。
若い時と違い、今はこれに「合法的に」がつくが、本当もうそれだけ。もちろん最低限、女子供年寄りを泣かすようなことをしないという大前提がつくが、あとはなにも考えない。何故金を稼がなくちゃならんのかなんてことを考えだしたらキリがない。別に起業の動機はカネを握っていい車転がして、モデル並みのいいオンナをはべらせたいなんていう不純な動機でも構わない。むろん、だからといって振り込め詐欺や違法薬物の売買なんかは言語道断であるけども。
一代で上場企業の社長になるような人は高い志と仕事に対する哲学を持っているのであろうが(くれぐれもそういう人と付き合いがないので知らない)、中小企業の社長で年収1000~3000万円程度稼いでいる人であれば哲学なんてものは実際あまり気にしている人はいない。ましてや世の中をよくしようとか、郷土に貢献しようなんて意識はほぼないといっていいだろう。あるのはあそこの店には負けたくないとか、とりあえずなんとなく向いてそうだからやっている的なありきたりな理由。
何故か起業というとドラスティックに考えがちなのだ。
これはテレビなどのメディアにも原因があるのだが起業とは尊くて、険しい茨の道を乗り越えていくものという幻想を抱かせてしまう。暴力的な大将にしごかれ、そのしごきを耐え抜いて店を出す、ふらっと元いた店の大将が訪れて、寿司(ラーメンでも可)を握らす、食べた大将がぼそりと一言、「これでオメーも一人前だな」、起業家である店主号泣みたいなストーリーを描かせたいんだわ。
「あー?寿司の修行?んなものは1ヶ月も握りの練習して、いい魚の卸屋見つければ誰でもなれるわ、あとは立地と値段だろうな~、俺らは食中毒だけ気を付けてればいいんだよ、今はなんかあるとすぐ食べログとかに書かれるからよ、そうそう、ちょっと前に鼻くそほじってて思いついたんだけどよ、サーモンに鼻くそみてぇなキャビアと金箔乗せたらバカなオンナがなんだ最近のあれ、そうバエ、インスタ映えな、わー、キレ―なんて嬉しそうに写真撮ってんだよ、まさか鼻くそが根拠だなんて思ってねぇだろう(笑)、キャビアと金箔なんか原価にすりゃせいぜい100円ぐらいなのにそれだけで普通のサーモンより1000円も余計に取れるんだからたまらんわ(笑)、おい、オメーこんなことネットに書くんじゃねぇぞ」などと受け答えしている店が人気店だったりすると絵的に面白くない。
ともかく、自分の経験も踏まえ、確実にいえるのは几帳面な性格で少しでもズレが生じるとイライラして顔に出る、こんな人でうまくいっている人を見たことがない。
確かにまるっきりザルという人もいないが1分1秒でも時間がズレたら許せないとか、1円単位まで細かく数字をチェックして合っていないと夜中まで電卓を弾く、こんな無駄なことをして成功している社長さんを知らない(くどいが上場企業の社長は知らないので分からん)。そんな些末なことにこだわるぐらいなら新規の取引先を開拓するか、或いは寝て体力を回復したほうがよっぽど建設的。1分遅れたり、1円数字が合わなくて会社が傾くような業務形態であれば早晩商売は傾く。
経営者は鷹揚に構えて、儲かるか儲からないか、楽しいか楽しくないか、向いているか向いていないか、楽か苦しいか、これぐらいを基準に考えていた方がうまくいく。むろん、廃業イコール死であると、退路を閉ざし、自分を背水の陣に追い込むなんてことは愚の骨頂、アホの極み。失敗したらまた違う商売すりゃあいいんだ程度に軽く考えていた方が得てして成功するものです。