考えさせられる
- 2019/05/09
- 20:41
またもや、痛ましい交通事故、保育園児数名が亡くなったとのことである。
逮捕された女性ドライバー二人は法の論理に従い、罪を償ってもらうしかないのだが(昨夜一人は釈放された)、今回は捕まったあとのことを話したい。
警察に逮捕されると、まずは署内の留置施設に拘留される。なお、留置場所は逮捕した所轄の警察署とは限らない、特に女性の場合、留置施設は少なく、例えば茨城県警でいえば、水戸署に逮捕されてもお隣の那珂警察署になることが殆どだ。
逮捕された女性ドライバーは法の論理に従い、罪を償ってもらうしかないのだが、今回は捕まったあとのことを話したい。
俺が入っているときも事故起こして入ってきた奴がいるけど、これは本当に悲惨。
一人は真面目そうな二十歳ぐらいの青年。
留置場では朝15分程度自由時間がある。運動場と呼ばれる20畳ぐらいの狭いスペースで、体操をしたり、タバコを吸ったり(今は全国禁煙になってしい吸えない)、髭を剃ったり、爪を切ったりできる。看守も含め、バカ話をしながらわいわい楽しく過ごす。この時、普段は接することの出来ない他房の人間とも交談が可能だ。ここでは世間一般のヒエラルキーとは真逆であり、罪の大きいものや所属するヤクザ組織での貫目が高いほど、尊敬されるという傾向がある。バカ丸出しだけどな。
ある朝、俺も体を動かそうと、運動場に出てみたら、その二十歳ぐらいの青年が体育座りをしながら泣いているのである。
俺は、「どうしたんだい?」と、声を掛ける。「昨晩、人をはねてしまいました・・・」というではないか。事故後すぐ逮捕されてしまったため、被害者がいったいどうなったか分からないという。つまり生きているのか、死んでいるのかすらも分からない。これはキッツいぞ~。一晩中一睡もせず泣き明かしたらしい。被害者の安否や自分のこれからの人生について色々思索したのであろう。純粋に得も言われぬ恐怖感に苛まれた部分もかなりあったと思われる。その後すぐ釈放されたから彼の場合、結果的に死亡事故ではなかったのだが、とにかくこういう事故というのは人ごとではないと思ったものだ。
そしてもう一人いた三十代半ばの青年、彼の場合、完全なる死亡事故。事故の状況は分からぬが、恐らく、弁護士からは実刑は免れないと言われていたのだろうな。奥さんがちょくちょく面会に来てて、今後の生活など話し合っていた。もしかすると、子供の将来を考えて離婚なんて話だったのかもしれない。
いずれにせよ、二人のこれまでの経緯をまったく知らないため、確実なことは言えないが少なくとも俺のような悪党とは別の道を歩んできたことぐらい容易に想像できる。
どうしても凄惨な事故が起きると被害者側の気持ちで考えがちだ。確かにそれはその通りであり、今回の事故に限らず強い憤りを覚えるのは致し方ないと思う。
今回、事故起こしたドライバーがどういう素性の人間かは知らんが、悪人とは凡そ程遠い、真面目に働き、子育てをして、地域のボランティア活動なんかにも積極的に参加する、いわゆる善人であったとするなら、尚のこと、色々考えさせられるのだ。
暴走運転や飲酒運転をして事故を起こしたバカは死んで償えと思うが、勲章のあるなしを問わず、まったくの善人であった場合、正直加害者側の立場に立って考えてしまうこともある。
もちろん、だからといって決して許されることではない。手塩にかけ、ここまで育て上げた両親や祖父、兄弟の気持ちを慮るとそれはそれで胸が締め付けられるほど苦しくなる。
ただ、一つだけ確実に言えることはハンドルを握る以上、誰もが犯罪者として報道されることはありうるということだ。決して人ごとではない。誰も事故を起こそうと思ってはいない。ちょっとした気の弛みや寝不足などがたたり、悲惨な事故を起こす。
本当はさ、社会勉強の一環として、事故後に加害者が辿る道筋を見せて、気を抜かないようにすべきだと思う。さすがにわざわざ逮捕されて留置場の中の経験をする必要はないが、裁判の傍聴はする価値がある。死亡事故を起こした加害者が検事や遺族に責められるのを見て気を引き締めるのも事故抑止のひとつにはなると思う。加害者には悪いがまあスケープゴートだ。遺影を持った遺族に、「息子を返してください」と責められても、ひたすら謝り続けるしかない。こういう生々しい場面を見たら飲酒運転なんかも相当減ると思う。
逮捕された女性ドライバー二人は法の論理に従い、罪を償ってもらうしかないのだが(昨夜一人は釈放された)、今回は捕まったあとのことを話したい。
警察に逮捕されると、まずは署内の留置施設に拘留される。なお、留置場所は逮捕した所轄の警察署とは限らない、特に女性の場合、留置施設は少なく、例えば茨城県警でいえば、水戸署に逮捕されてもお隣の那珂警察署になることが殆どだ。
逮捕された女性ドライバーは法の論理に従い、罪を償ってもらうしかないのだが、今回は捕まったあとのことを話したい。
俺が入っているときも事故起こして入ってきた奴がいるけど、これは本当に悲惨。
一人は真面目そうな二十歳ぐらいの青年。
留置場では朝15分程度自由時間がある。運動場と呼ばれる20畳ぐらいの狭いスペースで、体操をしたり、タバコを吸ったり(今は全国禁煙になってしい吸えない)、髭を剃ったり、爪を切ったりできる。看守も含め、バカ話をしながらわいわい楽しく過ごす。この時、普段は接することの出来ない他房の人間とも交談が可能だ。ここでは世間一般のヒエラルキーとは真逆であり、罪の大きいものや所属するヤクザ組織での貫目が高いほど、尊敬されるという傾向がある。バカ丸出しだけどな。
ある朝、俺も体を動かそうと、運動場に出てみたら、その二十歳ぐらいの青年が体育座りをしながら泣いているのである。
俺は、「どうしたんだい?」と、声を掛ける。「昨晩、人をはねてしまいました・・・」というではないか。事故後すぐ逮捕されてしまったため、被害者がいったいどうなったか分からないという。つまり生きているのか、死んでいるのかすらも分からない。これはキッツいぞ~。一晩中一睡もせず泣き明かしたらしい。被害者の安否や自分のこれからの人生について色々思索したのであろう。純粋に得も言われぬ恐怖感に苛まれた部分もかなりあったと思われる。その後すぐ釈放されたから彼の場合、結果的に死亡事故ではなかったのだが、とにかくこういう事故というのは人ごとではないと思ったものだ。
そしてもう一人いた三十代半ばの青年、彼の場合、完全なる死亡事故。事故の状況は分からぬが、恐らく、弁護士からは実刑は免れないと言われていたのだろうな。奥さんがちょくちょく面会に来てて、今後の生活など話し合っていた。もしかすると、子供の将来を考えて離婚なんて話だったのかもしれない。
いずれにせよ、二人のこれまでの経緯をまったく知らないため、確実なことは言えないが少なくとも俺のような悪党とは別の道を歩んできたことぐらい容易に想像できる。
どうしても凄惨な事故が起きると被害者側の気持ちで考えがちだ。確かにそれはその通りであり、今回の事故に限らず強い憤りを覚えるのは致し方ないと思う。
今回、事故起こしたドライバーがどういう素性の人間かは知らんが、悪人とは凡そ程遠い、真面目に働き、子育てをして、地域のボランティア活動なんかにも積極的に参加する、いわゆる善人であったとするなら、尚のこと、色々考えさせられるのだ。
暴走運転や飲酒運転をして事故を起こしたバカは死んで償えと思うが、勲章のあるなしを問わず、まったくの善人であった場合、正直加害者側の立場に立って考えてしまうこともある。
もちろん、だからといって決して許されることではない。手塩にかけ、ここまで育て上げた両親や祖父、兄弟の気持ちを慮るとそれはそれで胸が締め付けられるほど苦しくなる。
ただ、一つだけ確実に言えることはハンドルを握る以上、誰もが犯罪者として報道されることはありうるということだ。決して人ごとではない。誰も事故を起こそうと思ってはいない。ちょっとした気の弛みや寝不足などがたたり、悲惨な事故を起こす。
本当はさ、社会勉強の一環として、事故後に加害者が辿る道筋を見せて、気を抜かないようにすべきだと思う。さすがにわざわざ逮捕されて留置場の中の経験をする必要はないが、裁判の傍聴はする価値がある。死亡事故を起こした加害者が検事や遺族に責められるのを見て気を引き締めるのも事故抑止のひとつにはなると思う。加害者には悪いがまあスケープゴートだ。遺影を持った遺族に、「息子を返してください」と責められても、ひたすら謝り続けるしかない。こういう生々しい場面を見たら飲酒運転なんかも相当減ると思う。