覆面の北枕

平成は個人的にいえば結婚したり、離婚したり、逮捕されたり、逮捕されたり、逮捕されたり、逮捕されたり、逮捕されたり・・・、まあ色々ありましたが一番これはやっといてよかったことは？

親知らずの抜歯。

えっ、親知らずの抜歯ですか？

うん、親知らずの抜歯がやっておいてよかった我が平成史の最上位出来事。

右上奥の親知らず歯、痛みはまったくないが、斜めに生えてしまったため、歯と歯の間に隙間が出来やすく、イカとか固い肉とか、やたらと繊維質ものが挟まるのだ。それがどうにもこうにも気持ち悪くその都度糸ようじでほじくり出していた。

歯科医の先生は痛みがない以上、抜けとも抜くなとも言えない、自分で決めて欲しいという。確かに、曲がって生えているとはいえ、痛みはなく、ましてや奥歯故、自分で言わない限り曲がっていることは誰にも気づかれない。健康な歯を果たして抜いていいのかという思いも確かにある。次回来るときまで考えさせてくださいと歯医者さんを後にした。

次の予約まで半月以上ある。「やるべきか、やらざるべきかそれが問題だ」、ハムレットよろしくバカはバカなりにもよくよく考えた。その結果やると決定。裂きイカやビーフジャーキーが挟まるたびに悩むくらいなら、いっそやってしまえと断を下す。

曲がっている歯ゆえ、抜歯には手こずり、抜歯した夜は血が一晩中止まらずシーツを血だらけにしてしまったが、これが大正解。それ以来、奥歯に物が挟まることはなくなり、すこぶる快適。

平成中にしておいてよかったことは離婚と抜歯です、ええ。