昼の会社のヘッドマネージャーって、社長の娘さんなのだがなかなか見処がある。
一兵卒の自分が言うのもなんだけど、リーダーとしての資質というかな、かなりいいものを持っていると思う。
近ごろは俺が参謀となり、彼女を担いでテッペン目指すのも悪くねぇなぁと思い始めている。
もちろん、本業は本業で続けていくつもりだし、本業あっての俺だということには変わりがない。
ただ、彼女がどこまで駆け抜けられるのかというところを見てみたいというのも本音としてある。
「あなたは大将なんだからそんなにせかせかしなさんな。どーんと構えてなさいよ。大将が前線で斬り合いすんのは最後の最後でよろしい。それまではやきもきすることあるでしょうが、じっとこらえて職場全体を俯瞰的に見るようにしてください。あなたの仕事は現場で斬り合いをすることじゃない。兵隊に的確な指示を出すことだ」
一番の新人があえて挑発的なことを言ってみた。
俺は彼女の反応が見たかったのだ。
ここで新人のあんたなんかに何が分かるのよとキレるようなら所詮そこまでの人、担ぐべくような人間ではなかったと諦めるだけである。
しかし、彼女は違った、「いたらない点は多々あると思いますがこれからもどうかご指導よろしくお願いします」とペーペーの俺に頭を深々と下げたのだ。
ほーっ。
新人に頭を下げるなんてことはなかなか出来ることじゃないぞ、ましてや社長の娘というプライドもあるだろうしな。
それをさらりとやってのけた。
これは面白い。
近藤勇を担いだ新撰組の土方歳三ように、煩わしいことや面倒な汚れ仕事は俺が担当し、表の華やいだ部分は彼女に担当すればきっとうまくいくような気がする。
「分かりました。心配しなくても大丈夫です。自分が必ずや伸ばして行きます。」
実はここに入る前、もう一社面接に行きました。
給料の条件はむしろそちらの方がよかった。
しかし、俺はそちらを蹴って今の職場に決めた。
その会社の社長をどうしても人として尊敬できそうになかったのだ。
なぜなら職場に麻雀卓が置いてあり、ウイスキーの瓶が転がっているような会社だったから。
断ったのに二回もウチに来てほしいと電話があったが、やはり神聖な仕事場に雀卓を平気で置いておくような人間を信頼しろというのは土台無理な話である。
金だけがすべてではない。
俺は自分の仕事に自信もあるし、誇りもある。
プライドを持って仕事をしている。
他人から見たらちっぽけなプライドかも知れない。
それでも俺のプライドは信頼出来ない人間に託せる程安くはないと思っている。
酸いも甘いも表も裏も知り、薄氷を踏むような毎日を過ごしてきたのである。
せっかくだからその経験も踏まえて力をお貸したい。
力を貸すのに女だとか、年下だとかは関係ない。
また、社長の娘だとかも関係ない。
人間的に尊敬できるか否か、ただその一点。
俺は彼女に懸けてみたいと思っている。
だから言ってやった、あなたは持っている、この俺を下に置けるんだからって。
≫sakuraさん
リアライズ見ていただけましたか?
まあ悪くはないと思うのですが、正直納得出来てないんですよ。
もっとバッチリしたものを作りたいですね。
頭の中に案はあるのですがそれを具現化するのがかなり難しい、いや、技術的な問題よりも作成する時間がないのが一番難しかったりします。