読破
- 2019/02/16
- 10:22

年末から読み始めてやっと四冊完読。
三国志は横山光輝の漫画本と連続ドラマ『三国志 Three Kingdoms』でしか見たことがなかったが今回改めて小説を読んでみた。
あくまでも俺の個人的な考えであるが、三国志はとどのつまり、大きく分けると曹操と諸葛孔明の歴史であると思う。もちろん、人によっては劉備や関羽、張飛こそが三国志の歴史そのものという人もいれば、呂布の武勇伝に痺れる人もいると思う。或いは司馬懿仲達こそが本当の勝者なんて意見もあるでしょう。すべて否定はしません。あくまでも私見ということだ。
曹操と孔明、まるで対照的な人柄なのだが、どちらも惹かれるのだ。
ただ、それでも人間的な魅力で言えば曹操の方が勝っていると思う。
ご存知の通り、諸葛亮は欠点がないのが欠点というぐらい優れた人物なのだが、曹操や主君である劉備と違い、人を惹きつける魅力に乏しい。実際、孔明のもとに帰参した将軍は姜維と孟獲ぐらいであとはすべて劉備の子飼いだ。結局、孔明が魏を打ち破れなかったのは人材を育成できなかったことに大きい。対して、曹操、劉備はハッキリ言って欠点だらけである。その反面、情に深く、欠点以上に人を惹きつける魅力がある。
「我、人に背くとも、我、人に背かせじ」、曹操の名言だ。自分が人を裏切ることは構わないが、自分以外の人間が俺を裏切ること許さんという意味だが、こんな都合のいい話あるか。とはいえ、曹操は打ち倒したライバルである袁紹陣営から見つかったおびただしい数の手紙を中も見ずに燃やしている。もし、見てしまったら曹操陣営からの内通者が分かってしまい処罰しなくてはならない、だったら戦いも済んだし、これはなかったことにしようと不問にしているのだ。
こういうところを三国志は学ばせてくれる。
どうしても戦というと、将棋や囲碁のような自軍対敵軍のような構図を思い描きがちであるが、争いというのは決してそう単純なものではない。羽生名人と藤井聡太七段が対面して将棋を指してる。それを横から入って駒を引っ掻き回すもの居れば対戦を放棄してあえて負けない戦をするものもいる。もちろん、羽生さんや藤井君の功績にケチをつけるわけではなく、人間が生存圏を奪い合う闘争というのはそこまで単純な話ではないということを例えたまで。
様々なことを学ばせてくれる三国志、歴史好きならずとも読んでみるのもいいと思う。
但し、登場人物がやたらと多く、恐らく数百人の名前が出てくるため、いきなり小説はお勧めしない。横山光輝の漫画か連続ドラマ『三国志 Three Kingdoms』がやはり分かりやすくていいと思う。今回、読破して小説4冊も漫画とドラマのバックボーンがあったからこそすんなり入っていけたがまったく無知の状態でこれを読んだところでまず理解出来ないと思う。事実、横山光輝の漫画本だけでも30巻あり、かなりボリュームがある。図書館にあるから3回借りて読んだ、それでやっと理解できた。
もちろん、理解できない根本は俺がアホなだけでありますが。