不思議
- 2018/08/29
- 11:24
相変わらず、「西郷どん」は楽しく見ているのだが、西郷隆盛に関しては正直未だに解せないところがある。
あくまでも個人的にはそう思うというだけであり、くれぐれも病死であるとの史実通りであって欲しいと願うばかりですが、明治天皇の父である孝明天皇は西郷らに暗殺されたのではないかと思うのです、この思いがどうしても払拭できない。
孝明天皇は妹和宮を徳川家に嫁がせ、大河でも報じられているように、一橋慶喜への信任は厚く、徳川配下の松平容保には八月十八日の政変への感謝の印として御宸翰(ごしんかん)を授けている。パッと出の薩長土肥の西国諸藩よりも太平の世を250年築いてきた徳川政権の方をよっぽど信頼していたのである。
ましてや、当時は情報のない時代、いくら西郷や桂小五郎が倒幕を声高に叫んだところでそんなもん出来るかいなと思う方が自然。
そうなると、徳川を討つ大義名分がなくなる薩長土肥や岩倉具視、三条実美などの公家にとっては大変困る。実際、鳥羽伏見の戦いで使用された錦旗は詔勅を受けていない紛い物の錦旗であったという。
もちろん、未だに根強い孝明天皇の毒殺説であるが、だからと言って孝明天皇のご遺体を掘り出して、科学的に分析することなど到底不可能であり、歴史のミステリーはミステリーとして今後も継承されていくものと思われますが、正直、西郷どんで見られるように西郷隆盛が純粋無垢な好青年であったというのは承服しかねる。敬天愛人は確かに西郷の座右の銘であろうが、薄汚いこともしなくてはならないからこそ、外道に成り下がらぬよう、常に敬天愛人を意識したと考えるのは穿ちすぎだろうか。
明治維新というのは所詮クーデターだ。政治不満が募りに募り、いよいよどうすることもなくなって爆発したというのが明治維新の原動力であるが果たしてその原動力だけでクーデターを起こせるものか。怒りが原動力になることは確かにそのとおりであるが、強大な国家権力である徳川政権にそれだけで牙を向けるものか、暗殺も含め、根回しが必要なのは疑いがあるまい。
クーデターというのは現代もそうであるが、刑罰が国家制度を維持するための機構であるという性質から「最も犯罪らしい犯罪」と表現され、それとは反対に、仮に目的が完遂すればもはや犯罪として処罰することができなくなるという性質から「最も犯罪らしくない犯罪とすらいえる」と表現されることもある。
つまり、まさに勝てば官軍負ければ賊軍なのだ。
ただの善人西郷どんでは到底成し得ない。
あくまでも個人的にはそう思うというだけであり、くれぐれも病死であるとの史実通りであって欲しいと願うばかりですが、明治天皇の父である孝明天皇は西郷らに暗殺されたのではないかと思うのです、この思いがどうしても払拭できない。
孝明天皇は妹和宮を徳川家に嫁がせ、大河でも報じられているように、一橋慶喜への信任は厚く、徳川配下の松平容保には八月十八日の政変への感謝の印として御宸翰(ごしんかん)を授けている。パッと出の薩長土肥の西国諸藩よりも太平の世を250年築いてきた徳川政権の方をよっぽど信頼していたのである。
ましてや、当時は情報のない時代、いくら西郷や桂小五郎が倒幕を声高に叫んだところでそんなもん出来るかいなと思う方が自然。
そうなると、徳川を討つ大義名分がなくなる薩長土肥や岩倉具視、三条実美などの公家にとっては大変困る。実際、鳥羽伏見の戦いで使用された錦旗は詔勅を受けていない紛い物の錦旗であったという。
もちろん、未だに根強い孝明天皇の毒殺説であるが、だからと言って孝明天皇のご遺体を掘り出して、科学的に分析することなど到底不可能であり、歴史のミステリーはミステリーとして今後も継承されていくものと思われますが、正直、西郷どんで見られるように西郷隆盛が純粋無垢な好青年であったというのは承服しかねる。敬天愛人は確かに西郷の座右の銘であろうが、薄汚いこともしなくてはならないからこそ、外道に成り下がらぬよう、常に敬天愛人を意識したと考えるのは穿ちすぎだろうか。
明治維新というのは所詮クーデターだ。政治不満が募りに募り、いよいよどうすることもなくなって爆発したというのが明治維新の原動力であるが果たしてその原動力だけでクーデターを起こせるものか。怒りが原動力になることは確かにそのとおりであるが、強大な国家権力である徳川政権にそれだけで牙を向けるものか、暗殺も含め、根回しが必要なのは疑いがあるまい。
クーデターというのは現代もそうであるが、刑罰が国家制度を維持するための機構であるという性質から「最も犯罪らしい犯罪」と表現され、それとは反対に、仮に目的が完遂すればもはや犯罪として処罰することができなくなるという性質から「最も犯罪らしくない犯罪とすらいえる」と表現されることもある。
つまり、まさに勝てば官軍負ければ賊軍なのだ。
ただの善人西郷どんでは到底成し得ない。