調子こいて真面目な文章を書いてしまいました
- 2017/10/10
- 11:27
実業家の堀江貴文氏が少年のように目を輝かせ、アップルの創設者スティーブ・ジョブズ氏のことを語る動画がユーチューブに上げられている。嬉々としながらジョブズについて語る堀江氏は少年そのもの、いかに彼がジョブに影響を受けたのかが分かる映像であるが、堀江さん曰く、ジョブズの何が凄いかというと、彼のプレゼン能力だという。
https://youtu.be/rqXJ_yZ-uwk
動画はこちら
『無駄の排除
アイコン一つに文字は一つなど、説明する画面にスライドするは文字を少なくシンプルに
難しい専門用語を使わない
物凄く平易で誰にでも分かる言葉で説明する
印象に残るヤバい明言を残す』
この三つでプレゼンが構成されており、彼は新型iPhoneの発売をする場合、プレゼンのリハーサルを自分が納得いくまで何百回もするという。
堀江氏、或いはジョブズ自身が意図しているか否かは別にして、この三つのプレゼン能力とは何もジョブズが初めて行ったものではない。
読者はまたかと思うかもしれないが、アドルフ・ヒトラーである。
ヒトラーの功罪はさておき、彼を一言で表すならば「演説の天才」。ヒトラーの演説を見た聴衆は感動に打ち震え、卒倒して気を失うものが続出するほどだったという。それほどまでに彼の演説力はずば抜けていたわけであるが、彼自身の演説を分析すると、実はそこまで大それたことを言っているわけではない。
「無駄の排除」、「難しい専門用語を使わない」、「印象に残るヤバい明言を残す」、まさにこれなのだ。
実際、ヒトラーは演説の天才を自称していたが彼は人知れず、どうしたら人は自分の演説に酔いしれるかということを常に研究し、研鑽していた。

もちろんヒトラーにせよ、ジョブズにせよ、元々備わった天賦の才があったことは疑いようがない。しかし、その天賦の才を何度も訓練することによってより高みに昇華させたことは想像に難くない。ヒトラーがわざわざ思考能力が鈍る薄暮時に演説時間を設定し、照明や音楽を用いて大衆を一種のトランス状態にするなど、人々を酔わせるために相応のテクニックに頼ったのも事実であるが、ヒトラー自身、分かりやすいワンセンテンス型のフレーズを繰り返し、シンプルにメッセージを発信したからこそ、ホームレスからナチスの総統にまで上り詰めたのである。
さてと、今日の話は前置きが随分長くなったがジョブズの話でも、ヒトラーの話でもない。希望の党の代表に就任した小池百合子氏の話である。
彼女自身、高い知性に加え、男勝りの度胸、老獪な駆け引きのテクニックを備え、まさに政治家の申し子そのもの、政治家になるためだけに生まれて来たとの形容が一番ふさわしいと思うのだが、彼女には一つ気になる点がある。
小池さんの演説やインタビューを見ていると彼女はやたらと横文字を多用するのである。
自身に知性があることをひけらかしたいのか、それともメッセージの受け手側の国民もそんなことは知っていて当然という意識なのかは分からないがとにかく小洒落た横文字を多用する。
ワイズスペンディング、サスティナブル、ダイバーシティ、ソーシャルファーム、メルクマール、フィンテック、スプリングボード、アサイン・・・、等々、小池さんが演説やインタビューで用いた言葉である。実際はもっと多いだろう。これらの横文字をすらすら理解できる日本人っていったいどれぐらいいるだろうか。
誤解を恐れずに言うのであれば国民の八割はバカなのだ。ジョブズにしろ、ヒトラーにしろ、或いは小池さんの師匠である小泉元首相ですら、一般的ではない専門用語は使用しない。平易に言い換えて伝えている。確かに小池さんの目の前にいる記者であればとっさにフィンテックと言われても理解できるかもしれないが、インタビューの目的は目の前にいる記者に伝えることではなく、その先にいる読者や視聴者に伝えることである。
小池さんはここでかなり損をしていると思う。もちろん、収録した映像であれば「フィンテック(ファイナンス・テクノロジー、金融テクノロジー)」と表記はされるでしょう。だが、国民感情としてなんだかいけ好かない奴という思いが芽生える可能性は少なくない。また、生放送の党首討論の場などでとっさにフィンテックという横文字が出てしまうことは十分考えられる。政治の動向とは突き詰めると国民の生活そのものである。積極的に政治活動に参加しなくとも国民の大半は税やインフラの整備など、景気を左右するファクターに敏感である。
イギリスを正式名称であるグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国という必要は全くないがフィンテックであれば最新の金融テクノジー程度の言葉に置き換えた方が分かりやすく、具体的な意味までは分からなくとも、なんとなくではあるがこれまでの経済学ではなく、数学や物理学、統計学といった数理的な分析手法を駆使して、金融に伴うリスクの測定や金融商品の価格分析を行なう理論体系のことだなということぐらいは朧気ながらも理解出来ると思う。最近では工学部や理学部卒の新卒者が必ずしも製造業ではなく、銀行や証券会社に就職することが少なくない、もしかするとフィンテックという言葉知らなくとも、近親者にそういった人がいるかもしれない。
なかなか、今更、人間としての資質を変えるというのは難しいと思う。だが、本気でこの国の総理大臣を目指すのであれば言葉遣いから変えていく必要があると思う。
最後にヒトラーの名言を記す。
「大衆の多くは無知で愚かである」
https://youtu.be/rqXJ_yZ-uwk
動画はこちら
『無駄の排除
アイコン一つに文字は一つなど、説明する画面にスライドするは文字を少なくシンプルに
難しい専門用語を使わない
物凄く平易で誰にでも分かる言葉で説明する
印象に残るヤバい明言を残す』
この三つでプレゼンが構成されており、彼は新型iPhoneの発売をする場合、プレゼンのリハーサルを自分が納得いくまで何百回もするという。
堀江氏、或いはジョブズ自身が意図しているか否かは別にして、この三つのプレゼン能力とは何もジョブズが初めて行ったものではない。
読者はまたかと思うかもしれないが、アドルフ・ヒトラーである。
ヒトラーの功罪はさておき、彼を一言で表すならば「演説の天才」。ヒトラーの演説を見た聴衆は感動に打ち震え、卒倒して気を失うものが続出するほどだったという。それほどまでに彼の演説力はずば抜けていたわけであるが、彼自身の演説を分析すると、実はそこまで大それたことを言っているわけではない。
「無駄の排除」、「難しい専門用語を使わない」、「印象に残るヤバい明言を残す」、まさにこれなのだ。
実際、ヒトラーは演説の天才を自称していたが彼は人知れず、どうしたら人は自分の演説に酔いしれるかということを常に研究し、研鑽していた。

カメラの前で身振り手振りで演説を練習するヒトラー
もちろんヒトラーにせよ、ジョブズにせよ、元々備わった天賦の才があったことは疑いようがない。しかし、その天賦の才を何度も訓練することによってより高みに昇華させたことは想像に難くない。ヒトラーがわざわざ思考能力が鈍る薄暮時に演説時間を設定し、照明や音楽を用いて大衆を一種のトランス状態にするなど、人々を酔わせるために相応のテクニックに頼ったのも事実であるが、ヒトラー自身、分かりやすいワンセンテンス型のフレーズを繰り返し、シンプルにメッセージを発信したからこそ、ホームレスからナチスの総統にまで上り詰めたのである。
さてと、今日の話は前置きが随分長くなったがジョブズの話でも、ヒトラーの話でもない。希望の党の代表に就任した小池百合子氏の話である。
彼女自身、高い知性に加え、男勝りの度胸、老獪な駆け引きのテクニックを備え、まさに政治家の申し子そのもの、政治家になるためだけに生まれて来たとの形容が一番ふさわしいと思うのだが、彼女には一つ気になる点がある。
小池さんの演説やインタビューを見ていると彼女はやたらと横文字を多用するのである。
自身に知性があることをひけらかしたいのか、それともメッセージの受け手側の国民もそんなことは知っていて当然という意識なのかは分からないがとにかく小洒落た横文字を多用する。
ワイズスペンディング、サスティナブル、ダイバーシティ、ソーシャルファーム、メルクマール、フィンテック、スプリングボード、アサイン・・・、等々、小池さんが演説やインタビューで用いた言葉である。実際はもっと多いだろう。これらの横文字をすらすら理解できる日本人っていったいどれぐらいいるだろうか。
誤解を恐れずに言うのであれば国民の八割はバカなのだ。ジョブズにしろ、ヒトラーにしろ、或いは小池さんの師匠である小泉元首相ですら、一般的ではない専門用語は使用しない。平易に言い換えて伝えている。確かに小池さんの目の前にいる記者であればとっさにフィンテックと言われても理解できるかもしれないが、インタビューの目的は目の前にいる記者に伝えることではなく、その先にいる読者や視聴者に伝えることである。
小池さんはここでかなり損をしていると思う。もちろん、収録した映像であれば「フィンテック(ファイナンス・テクノロジー、金融テクノロジー)」と表記はされるでしょう。だが、国民感情としてなんだかいけ好かない奴という思いが芽生える可能性は少なくない。また、生放送の党首討論の場などでとっさにフィンテックという横文字が出てしまうことは十分考えられる。政治の動向とは突き詰めると国民の生活そのものである。積極的に政治活動に参加しなくとも国民の大半は税やインフラの整備など、景気を左右するファクターに敏感である。
イギリスを正式名称であるグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国という必要は全くないがフィンテックであれば最新の金融テクノジー程度の言葉に置き換えた方が分かりやすく、具体的な意味までは分からなくとも、なんとなくではあるがこれまでの経済学ではなく、数学や物理学、統計学といった数理的な分析手法を駆使して、金融に伴うリスクの測定や金融商品の価格分析を行なう理論体系のことだなということぐらいは朧気ながらも理解出来ると思う。最近では工学部や理学部卒の新卒者が必ずしも製造業ではなく、銀行や証券会社に就職することが少なくない、もしかするとフィンテックという言葉知らなくとも、近親者にそういった人がいるかもしれない。
なかなか、今更、人間としての資質を変えるというのは難しいと思う。だが、本気でこの国の総理大臣を目指すのであれば言葉遣いから変えていく必要があると思う。
最後にヒトラーの名言を記す。
「大衆の多くは無知で愚かである」