覆面の北枕

あんまり霊の存在がどうのこうの言うつもりはないがここ数日不思議なことが起こっている。

朝起きると、三日間連続で流しの水が出しっぱなしなのである。ジャーという感じではなく、鉛筆よりもう少し細いぐらいの太さの水がチロチロと流れている。初めの日は昨晩寝る前に歯を磨いたとき、もしかして蛇口を閉め忘れたのかと思い、さほど気にも留めなかったのだがさすがに三日連続は変だ。そもそも、手前味噌ではあるが意外に俺は戸閉などしっかりする方であり、コタツの消し忘れや電気のつけっぱなしなど殆どない（もちろんゼロではないが）。

そして今もそうだ。ごろごろしながら本を読んでいるといきなり電気がスーッと落ちたのだ。

一瞬停電かと思ったが扇風機は止まっていない、球切れかと思い、リモコン（寝ながら電気を点けたり消したりできるため便利）のスイッチをもう一度押すと今度は普通に灯る。蛍光灯（すんません、LEDじゃないです）を見てみると黒ずんで消えかかっている様子もなく特におかしな点はない。

また、たまたまかもしれないが最近死んだ人の夢ばかり見る。昨夜は父方と母方それぞれの死んだ婆さんが夢に出てきた。寝苦しさも満点だ。いつものことかもしれないが一晩で10回近く目覚める。夜中、なんとなく落ち着かないのである。

ここまで書いたことはすべて事実であるがだからと言って別に怖いとは思わない。

何故なら稲川淳二、あれほど怖いことを経験しているにも関わらず、未だぴんぴんしてるじゃないか。怖いと言いつつ、幽霊が安全なことは稲川さん自身が証明しちゃっている。

だから平気、呪い殺しにくるなら来てみやがれてーんだい、俺が幽霊焼き殺してやっから。牛乳飲んで寝ます。