覆面の北枕

全員既婚、我、撃沈せり。

あぼ～ん。

まあ、恋愛は冗談だけどさ（全員既婚は本当）、今日から初出勤だったのだが、いやー、よかったよ。

少人数でやりたいことを誰に気兼ねすることなく出来るという、まさに俺の理想とする職場だ。

しかも、今後のスキルアップにも絶対につながる仕事内容だ。

つまり、考えようによっては金貰いながらノウハウを学べるということになる。

俺も近い将来ネットショップをやろうと考えてんだけど、あれってかなり面倒臭いんだよね。

もちろん、２年近く、パチパチキーボード叩いていりゃ、いくら敷居が高いとはいえ、さすがに出来るようになるのだが、どうしても面倒臭さが最優先にきてしまいやる気が起きない。

しかし、業務でネットショップの運営を任されれば（一応わてが責任者だす）、否応無しに覚えざるを得ない。

普段だったら読むのが億劫でぶん投げてしまうマニュアルもしっかりと目を通す。

こうして頭というよりもむしろ体で覚えてしまえば自分でやる時は楽だろ、商品とテキスト変えりゃいいだけだからね。

我ながらエエところ見つけたと思う。

それにしても思ったのは自分なんてへり下るわけでもなんでもなく、ウェブ関連、ＰＣ関連に関しては全然大したことないレベルだと思っているわけよ。

実際、相方のＫ君はじめ、身の回りにはスゲー連中が沢山いるからね。

俺なんかいつも劣等感に苛まれているといっていいぐらいだ。

なのに、一般の事務系に行けば、スペシャリスト扱いされるんですからねぇ。

今日も出勤するなり、画像の加工の仕方で悩んでいるというので、俺がフォトショップを使用してサクサクと、ものの５分も掛からずに仕上げてやったら、オタク系の女の子（くどいが既婚）に、「ネ申！！」と驚かれた。

しつこいけど、全然神じゃないよ、俺程度のレベルの人間なら誰でも出来る話。

だから、あー、やっぱ凄い連中と交わっているとさ、俺自体も朱に交われば赤くなるじゃなけどね、知らず知らずうちにレベルアップしてんだなと思ったね。

でも、確かにそれはそうかもしれんなぁ。

俺も風俗やっている時に、ウェブ制作業者の仕事をよく傍らで見ていたのだが、当時はちんぷんかんぷんでよくこんなん出来るわ～とため息をついていた。

それが今じゃ自分がその立場だからね。

もっとも、あまり手の内は明かさないようにしておこうと思う。

下手に種を明かしすぎちゃって誰でも彼でも出来るようになっちゃうと、俺自身がお払い箱になってしまうからな。

「覆面さんに教えて貰って助かりました。これからは覆面さんの手を煩わさなくても済みます。本当にありがとうございました、それじゃね、バーイ」

みたいな。

手品師が種を明かしちゃいけねぇやね。