覆面の北枕

よく、人間の原動力は異性にモテたいからだというが、俺、離婚してからまったくそんな原動力ないなぁ。

まあ、基本引き籠もりみたいな生活をしているから余計に出会いがないのだが（バイト先にはおばちゃんしかいない）、とにかく、モテたいとか、付き合いたいだとか、まったくそんな気になれない。

もちろん、元の嫁さんに未練があってその思いをずっと引きずっているから恋愛が出来ないなんてことはない。まったく。

単純にひとりがいいというかな、恋愛をすることによって色んなものに振り回されるのが凄く嫌なわけ。

恋愛は幸福感もある代わりに物凄く体力を消費するでしょ。

楽しい時も喧嘩の時も、はたまた普段の何もない普通の時も、恋愛をしている限り、体力の消耗は避けられない。

それって、疲れるんだよね。

だったら誰に振り回されることなく、雲のように、自由気まま、勝手気ままに生きている方がよっぽど楽しいなと思ってしまう。

うん、間違っているのは分かっている。

アダムとイヴが禁断の果実をかじった瞬間から、人間は恋をすること宿命付けられてしまっているわけで、ひとりを押し通すということはこの人間本来の本能に背くことになるのだろうけど、やはり怠いものは怠い。

ま、もっとも、江角マキ子みてぇな女が現われればリンゴをかじってもいいかな、ガハハハッ。

江角ちゃん、元気かな、ふーっ…。