覆面の北枕

茨城県では本日死亡事故警報を発令された。

県内ではここ8日間でなんと10人も方が交通事故でお亡くなりになっているのだそうだ。これじゃあ発令も仕方がないかもしれんね。

それにしても、交通事故を起こして留置場に入ってくる人は気の毒だったよなぁ～。

俺のような半グレが確信犯的に悪いことをやって手錠を掛けられるのは自業自得であり、そこに同情の余地はない。また、パクられること自体、不良の世界じゃむしろ勲章の一つだと思っている。

まあ自分で言うのもアホの極みであるが房のなかでの前科や悪事自慢が被疑者達のステータスであったりもする（ゲソつけてた所属団体も）。まさに安部譲二の塀の中の懲りない面々そのものだ。

しかし、交通事故で入ってくる人は本当可哀想だ。死んだ人のことを思えば可哀想だなんていっちゃいけないのだろうがそれでもやっぱり泣き崩れている人を目の当たりするとねぇ、どんな事情があるにせよ、さすがに胸を打つものはあるよ。死亡事故さえ起こさなきゃ間違いなく行くのは天国と決まっていたはずの真面目な青年が今日から犯罪者呼ばわりされ、人殺しとして一生重い十字を背負い続けなければならない。恐らく仕事はやめるようだろうし、下手すりゃ一家離散だ。

これまでやくざや犯罪とは無縁のまっとうな生活を歩み、犯罪といえば『相棒』で見るだけの遠い異国の物語であったはずなのに、法廷では被告人と呼ばれ、事故の程度によっては長期間お勤めをしなくてはならない。

ハンドルを握る以上、いつ手錠を掛けられてもおかしくない、だから意識を集中してハンドルを握る。この当たり前のことがいつしかおざなりになってしまう。

ある意味、俺も捕まってからだな、自動車運転の重さを知ったのは。

免許を取ったばっかりの頃はみな慎重に運転するがだんだん慣れてくると車の運転など靴を履くのと同じ感覚でしかなくなる。

薬中やキチガイでもない限り、交通事故を起こしたくて起こす人は誰もいない。だからこそ、誰も事故を起こすまでは所詮人ごとなのだ。道端で事故でメチャメチャになった車を見ても自分は関係ないと思っている。

俺も人のことを言えた義理じゃないが少なくともここを見た人が多少でも心を改めて真剣な気持ちでハンドルを握ってくれればいいなと思う。