覆面の北枕

パリの無差別テロ、宗教とはつくづく愚かな存在だと思う。

別にイスラム教だけじゃない、キリスト教も仏教も俺から言わすと皆くだらない。世界中、すべての宗教がくだらないのだ。

宗教などいらない。

信仰心が人を救うのならそこに価値もあろうが現実の信仰心は却って人の心を乱し曇らす。

そもそも宗教とは道に迷った時、教えを乞うことである。

たとえば仏教の南無阿弥陀仏、現代語に訳せば仏陀に帰依するということになり、つまるところ、「お釈迦様の言いなりになります、言いなりになります」とひたすら繰り返しているに過ぎない。

言いなりになるのは結構だが、じゃあ具体的に釈迦の教えとはいったいなんぞやといわれると急にだんまりを決め込むのが日本人、明快に答えられる人はいったいどれぐらいいるのか？殆どいないと思われる。

では、キリスト教はどうか、キリスト教の精神の一つに、汝殺すなかれというものがあるが世界で一番、人を殺しているのは言うまでもなくキリスト教国家であるアメリカだということを忘れてはならない。アメリカでは大統領に就任すると聖書に誓いを立てなくてはならないが、広島、長崎に原爆を落としておいてどの口が言うのかと、憤りを禁じ得ない。

イスラム教も然りだ。信者が勝手に曲解をしているという側面は多分にあるにせよ、無差別に女子供を殺害する神様なんざ、そんなもの神でもなんでもねぇ、ただのテロリストだ、神様とはもっと尊いものじゃなかったのか、馬鹿馬鹿しい。

イエスキリスト、仏陀、ムハンマド、どいつもこいつもそもそも元を辿れば所詮は人から生まれた子に過ぎない。人間は神様ではない。エヴァンジェリスト（伝導師）として人々をたぶらかしていたのだから確かにまあそれなりの人物だったとは思うのだが如何せん悲しいかな人間、人はどこまで行っても人でしかないのだ。

電車の中でお年寄りや妊婦さんに席を譲る。

こんなこと無信教者の俺ですらする。偉ぶる話でもなんでもない。宗教を学ばなくとも人は社会に十分順応して生きていくことが可能だ。少なくとも俺は困ってはいない。

そもそも信仰心は人を幸せするというのが全宗教の共通したアイデンティティーであるが、実はこれこそが宗教における最大の矛盾点でもある。どのへんが矛盾点なのかと言えば、このアイデンティティーを言い換えれば信仰心のない人を神様は救わないということである。神様とはそんなに狭量なのか、あまりにせこ過ぎやしないか。川に溺れている人がいます、しかし、アイツは異教徒だ、よって助けません、これって神様本来のあるべき姿なのか？あくまでも例えだが宗教の信仰心とはそういうことである。

もしかすると、中には無信仰者や異教徒でも困っていれば別け隔てなく神はお導きくださると反論してくる人もいることだろう。だったら尚のこと矛盾してしまう、困りゃ無信仰者でもお導きくださるのならわざわざ信仰などしなくてもよいという証ではないか。だって結局救ってくれるんだろ？

こうして考えれば考えるほど信仰するということは馬鹿馬鹿しい。

今回のパリのテロ事件の首謀者は「これはムハンマドを侮辱したことへの報復だ」と、うそぶいたらしいが小人を使かわなきゃ報復一つ出来ない神様、随分スケールの小さい神様だと思う。他者を認めることも看過することも出来ない、肝っ玉の小さい神様、やっぱり馬鹿馬鹿しい。


宗教が頼りないから俺が神様になろうかな、交満教教祖、宗派は中よりも栗派なんつぅてさ。馬鹿馬鹿しい。