週末夜の松屋、集っているのは俺も含め、まるっきり女っけのない野郎どもばかり。そして奴らはかなりの確率で薄毛だ。いわゆるチー牛(チーズ牛丼)のキモヲタ。奴らが二次元のアニメに傾倒するのも分からなくもない。早い話、キモヲタの名の通り、気持ちが悪い。
そういうお前はどうなんだとお叱りを受けるかもしれないが、俺は結婚の経験があるのでこの手のキモヲタよりは一歩先んじているといえる。
岸田首相の掲げる異次元の少子化対策、現在人口減少に待ったなしの状況、遅きに失した感は否めないが座して死を待つのだけは避けたい。日本の危機は中露の暴虐でもなければ地球温暖化でもない、出生率の低迷だ。このまま出生率が向上しなければ300年後に日本人は絶滅するとの試算がある。まんざら絵空事でもない。現在の出生率は1.3、親が二人死ぬのに対し、生まれる子供は1人、逆ネズミ算で解を得るまでもなくいずれ絶滅するのは自明だ。
異次元の少子化対策の目玉は出産費用の軽減や子育てに掛かる費用の補助、給付金の支給だ。
現役の子育て世代からすると色々不満はあるだろう。
それでも俺は不十分ながらも評価をしている。明石市が独自の子育て政策で成功を収めたのは人口30万人程度の小さな規模であるからだ。国全体とは規模が違う。明石の政策を国が参考にするのは結構だが、だからといって明石と国全体とを比較するのは意味がない。いきなりパラダイムシフトをしようとしてもそれは土台無理な話である。だからこそ、まずは小さな第一歩だ。政府が第一歩を踏み出したことは評価したい。
ただ、子作りを躊躇する夫婦をベースに考えるだけでは片手落ちだ。
恋愛をしたくても出来ないチー牛の薄毛キモヲタをなんとかすべきではないのか。
中には髪の毛の有り無しなど気にしないと語る女子もいるが、やっぱり毛がないのは恋愛に於いて大きなビハインドになる。事実、ハゲは基本的にモテない。今の時代、ハゲは薬で治る時代だ。いしだ壱成のように植毛という手もある。こうしたカップルになる以前のキモヲタどもを支援するのも出生率向上のためには案外大切なんじゃないかと思う。
地方自治体では少子化対策として独自のカップルマッチングサービスを行っているところがあるが、わたしハゲでもいいと赤くなる稀有な女子を探すよりもハゲは嫌だと身震いをする女子のためにもハゲ治療は切実だろう。
女子によっては、「わたしはハゲ全然いいんだけど、生まれてくる子供がハゲだったら可哀想じゃん、だからごめんね」と顔の前で手を合わせるものもいる。ひどいのになると、「ハゲはお母さんが反対するからごめんね」、「死んだお父さんの遺言(実際は存命)でハゲとは付き合えない」といって、本当は自分自身がハゲ嫌いなのにも関わらず、都合のいい言い訳の一つとして親族をダシに使うものもいる。
そのために異次元の少子化対策の一環として若者にハゲ治療の助成金を出すとかすればいいと思うがどうだろうか。
俺はお盆なのでこれから伸びた髪を切り、縮毛矯正をしてきます。ハゲとは今のところ無縁じゃ。