今朝面白いおっさんに出会った。
朝、車を運転していると前方からチャリンコに乗った作業着のおっさんが走ってくるのが確認された。俺が走っていたのは車線のない住宅街のなかにある市道だ。
俺は車の速度を落とし、出来る限り左端に寄り、おっさんをスムーズに通そうと思った。そしたらおっさん、避けるでなし、俺の車に突進だもん。車とぶつかる直前にチャリンコのハンドルを直角に切り、すれ違いざまに、「殺すぞ!」(笑)。
えっ、なんで?
笑えるでしょう。
俺は左側に車を寄せ、おっさんが十分通れるだけのスペースを空けているわけですよ。しかも、やばそうなおっさんだと思い、俺は車を予め停止させていた。
それなのに殺すぞ(笑)。もうね、朝からええもん見たなぁと嬉しくなってしまってさ、思わずすぐに車を飛び降りましたよ。俺も勇気あるこのおっさんに最大限の敬意を表さねばと思い、「喧嘩売ってんのか、この野郎、くそオヤジ、ぶっ飛ばすぞ、この野郎」と返礼ですから、あはははっ。
もしそれでおっさんが殴りかかってきたらどうするのかって?その時はソッコーで逃げるんですけどね(笑)。だって、バカに関わり合いたくねぇもの。
とはいえ、俺、ああいうファンキーなおっさんって実は嫌いじゃない。世の中があんなおっさんだらけであればこの世はまさに生き地獄だが町内にひとりいるくらいなら却ってそれが退屈しがちな日本人のいいスパイスになってむしろ面白いとさえ思っている。必需品とまでは言わないが一人ぐらいなら薬箱のオロナイン軟膏程度の価値はある、無きゃ無くても構わないがあっても問題はないかなぁみたいな。
今これを書いててふと思い出したが以前、舎弟の無限次朗とドライブしているときも似たような話があったな。
やはり車とすれ違いざまなのだが、おっさん、いきなり、俺たちに向かい、「おい、コラちんぴら」だもん。意味分からんだろう(笑)。おっさんの通行の邪魔をしていないし、おっさんと絡もうとなんてまったく思っていない。単純に前方からくる歩行者と進行する車という関係でしかない。
ただ、今と違うのは当時はまだ俺が血気盛んだったということだ。
俺は窓を空け、飲みかけの缶コーヒーをおっさんにぶつけ、それだけじゃ収まり切れず、車内にあった漫画本や空き缶、そして無限次朗が飲んでいた飲みかけの缶ジュースをぽこぽことおっさんにぶつけた。
「おい、やめろ、てめっ、この、やめろ、こら、やめろ、おい、やめろ」
舐めてんじゃねぇぞ、この野郎と両手で顔面を隠す、おっさん目がけて容赦なく本当にぶつけた。
若気の至りだ。申し訳なく思う(ちょっぴり)。
無限次朗は覚えているだろうか。