人工知能は天使か悪魔か
- 2017/06/26
- 21:39
『NHKスペシャル 天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る』、見た人も多いと思いますが、これはなかなか面白かった。
個人的には番組の中で取り上げられていた人工知能を用いて売り上げを伸ばしている名古屋のタクシー会社の話が実に興味深かった。
なんでも過去のデータを人工知能に学習させることにより、現在、お客さんがタクシーを探しているであろうと思しき場所をピンポイントで提示し、乗車依頼の無線が入らなくとも、もうその場所に行ってしまうという、いわば山掛けのお話。番組上の演出の可能性も無きにしも非ずだが、実際、番組では取材中のタクシーが次から次へとお客さんを拾っていた。ちなみにこのタクシー会社ではAIを取り入れたことにより売り上げがなんと前年比20%アップ、タクシー離れのこの時代に20%アップは相当凄い。
自分が興味を抱いたのはこれを使えば相当ズルが出来るんじゃなかろうかってこと。東大入試でもいいし、司法試験でも構わないのだが過去問や教科書、世相、そして問題を作る教授陣を分析すれば高い精度で入試問題が予想できるのではないだろうか。もちろん、相応の頭の良さは要求されるがうまくいけば以前であれば合格できなかったレベルの受験者でもたまたまヤマが当たり、合格出来てしまうかもしれないってことだ。
もちろん、これには問題もある。たまたま一人、二人、山掛けが当たり合格できたとしてもそれはまあ今でもあることだろうから運も実力のうちと笑って過ごせるが、単純に山掛けが当たるか否かだけに問題がクローズアップされると、優秀な人を選抜するという本来の目的から外れてしまう気がするのだ。それってどうなのと思う反面、これからは人工知能が難しい仕事を引き受けてくれるため、そもそも優秀な人自体が必要ないとも言える。だったら試験そのものがナンセンスだ。凡人には分からぬ。
また、これは優秀な人だけじゃなく、恋愛などにも応用可能な話だったりする。
自分の容姿、性格、知能指数、血液型(根拠があるのか不明だが)、DNAなどをAIに分析させることによって、どういう人にアタックすれば恋が成就しやすいということが分かってしまう。
これも実は諸刃の剣であり、恋愛がうまくいき、ともすれば少子化の歯止めとなるかなり漸進的な技術活用になる代わりに人を堕落させやしないか。
人に限らず、すべての生きとし生けるものにおいて恋とはいわば子孫を残すための試練であり、その試練に打ち勝ってこそ、はじめて優秀な遺伝子を後世に伝えることが出来るのは歴史が証明している。
でも、AIがほぼゲッチュー確実な相手を割り振ってくれるのであるから失恋する可能性は限りなく低い。これも果たして正しいことなのだろうかと思う。無駄打ちをしなくていい反面、人として正しい行いなのかと正直疑問符が頭の中から消えずにいる。
恋愛をすることに喜びや悲しみを感じることによって人は強くなるものだと、俺はそう信じている。フラれて打ちひしがれるのも人を成長させる大切な素養なのだ。
AIが指図した相手を見つけて相思相愛、子にも恵まれ、喧嘩もなくどちらかが死ぬまで平穏無事に暮らしました、一見すると確かにいいお話かもしれない。だけど、本当にそれでいいのかって思いは拭えない。人間ですから時には喧嘩をして身も心もズタズタになることもあるでしょう。もしかすると修復不可能なほど亀裂が生じるかもしれない。その亀裂によって金が絡んだ醜い争いごとに発展するかもしれない。あくまでも俺はですが、そういういかに泥臭い営みがあって初めて、人は成長するものだと思っている。
人工知能とは所詮、人が作った機械に過ぎない。その機械に人は生かされるのか、人を生かすために機械を製造するのか、人類始まって以来のことゆえ、その答えは誰も分からない。まさに表題のとおり、天使か悪魔かだ。
まだ書きたいことがある、次回に続く(まどりんさん風)。
個人的には番組の中で取り上げられていた人工知能を用いて売り上げを伸ばしている名古屋のタクシー会社の話が実に興味深かった。
なんでも過去のデータを人工知能に学習させることにより、現在、お客さんがタクシーを探しているであろうと思しき場所をピンポイントで提示し、乗車依頼の無線が入らなくとも、もうその場所に行ってしまうという、いわば山掛けのお話。番組上の演出の可能性も無きにしも非ずだが、実際、番組では取材中のタクシーが次から次へとお客さんを拾っていた。ちなみにこのタクシー会社ではAIを取り入れたことにより売り上げがなんと前年比20%アップ、タクシー離れのこの時代に20%アップは相当凄い。
自分が興味を抱いたのはこれを使えば相当ズルが出来るんじゃなかろうかってこと。東大入試でもいいし、司法試験でも構わないのだが過去問や教科書、世相、そして問題を作る教授陣を分析すれば高い精度で入試問題が予想できるのではないだろうか。もちろん、相応の頭の良さは要求されるがうまくいけば以前であれば合格できなかったレベルの受験者でもたまたまヤマが当たり、合格出来てしまうかもしれないってことだ。
もちろん、これには問題もある。たまたま一人、二人、山掛けが当たり合格できたとしてもそれはまあ今でもあることだろうから運も実力のうちと笑って過ごせるが、単純に山掛けが当たるか否かだけに問題がクローズアップされると、優秀な人を選抜するという本来の目的から外れてしまう気がするのだ。それってどうなのと思う反面、これからは人工知能が難しい仕事を引き受けてくれるため、そもそも優秀な人自体が必要ないとも言える。だったら試験そのものがナンセンスだ。凡人には分からぬ。
また、これは優秀な人だけじゃなく、恋愛などにも応用可能な話だったりする。
自分の容姿、性格、知能指数、血液型(根拠があるのか不明だが)、DNAなどをAIに分析させることによって、どういう人にアタックすれば恋が成就しやすいということが分かってしまう。
これも実は諸刃の剣であり、恋愛がうまくいき、ともすれば少子化の歯止めとなるかなり漸進的な技術活用になる代わりに人を堕落させやしないか。
人に限らず、すべての生きとし生けるものにおいて恋とはいわば子孫を残すための試練であり、その試練に打ち勝ってこそ、はじめて優秀な遺伝子を後世に伝えることが出来るのは歴史が証明している。
でも、AIがほぼゲッチュー確実な相手を割り振ってくれるのであるから失恋する可能性は限りなく低い。これも果たして正しいことなのだろうかと思う。無駄打ちをしなくていい反面、人として正しい行いなのかと正直疑問符が頭の中から消えずにいる。
恋愛をすることに喜びや悲しみを感じることによって人は強くなるものだと、俺はそう信じている。フラれて打ちひしがれるのも人を成長させる大切な素養なのだ。
AIが指図した相手を見つけて相思相愛、子にも恵まれ、喧嘩もなくどちらかが死ぬまで平穏無事に暮らしました、一見すると確かにいいお話かもしれない。だけど、本当にそれでいいのかって思いは拭えない。人間ですから時には喧嘩をして身も心もズタズタになることもあるでしょう。もしかすると修復不可能なほど亀裂が生じるかもしれない。その亀裂によって金が絡んだ醜い争いごとに発展するかもしれない。あくまでも俺はですが、そういういかに泥臭い営みがあって初めて、人は成長するものだと思っている。
人工知能とは所詮、人が作った機械に過ぎない。その機械に人は生かされるのか、人を生かすために機械を製造するのか、人類始まって以来のことゆえ、その答えは誰も分からない。まさに表題のとおり、天使か悪魔かだ。
まだ書きたいことがある、次回に続く(まどりんさん風)。